イワサキ経営スタッフリレーブログ

2018.07.24

AIと共存する未来 ~雛田 昌孝~

 ロボットやAIの登場によって、近い将来、人間の仕事が確実に奪われると言われています。このようなことが度々メディアで報じられ、各方面で議論を巻き起こしてきました。確かに彼らのせいで「あなたは今日からクビです」なんて言われる場面を想像すると、「AIなんかに!」と叫びたくなるのも分かります。しかし考えてみると、私たち人間はこれまでもイノベーションが起こる度に仕事を失ってきました。蒸気機関車のかま焚き、電話交換手、灯台守・・・。技術革新と失業はいつの時代もセットでした。そしてその代わりになる仕事を見つけてきたのも人間です。彼らが人間の仕事を奪う未来が見えているのならば、それを受け入れてどう対処するか考えるべきだと思います。次の技術革新の大波が迫る私たちのこれからについて考えてみます。

政府が「ワークシェア」と呼ばれる「他の労働者と仕事を分かち合う働き方」の政策を打ち出すことで失業率を抑えると言われています。ただ、これにも問題があります。失業者を含む全職業人口で残り少なくなった仕事を分け合うので、ひとりひとりの仕事量や出勤する回数が減り、収入も減ってしまいます。では、多くの人々が将来貧しい暮らしを送ることになるのでしょうか。
国民の多くが失業した未来では、やはり経済が大混乱します。しかし従業員がロボットに置き換わったことで会社は以前よりずっと儲かるでしょう。そのため国民の1%にあたる資本家たちが大きな富を手にします。富裕層は手にした富でこれまで以上に贅沢品を買い漁り、その結果、仕事が消滅する以前の水準までGDPが戻って、「経済は順調」という発表が政府からなされます。そして政府は富裕層や仕事のある中流層から税金を徴収し、失業した国民に生活保護手当を支給するでしょう。このようにして経済は均衡します。
一方、人々の仕事がなくなると、むしろ儲かる人も出てきます。この行き過ぎた社会の均衡こそ、将来私たちが本当に危惧すべき問題です。
数十年後、人類はロボットやAIとどのようなお付き合いをしているのでしょうか。AIに負けない対策として、仕事機械にはできない人間ならではの能力をつける基礎固めをどれだけ実践できるかで変わってくるのかもしれません。

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