イワサキ経営スタッフリレーブログ

2016年03月

2016.03.24

青学の連覇 ~山田 克彦~

 今年の「箱根駅伝」で2年連続2度目の総合優勝、しかも往路の1区からトップを守った完全優勝を39年ぶりに成し遂げた青山学院大学陸上部。かつては、箱根駅伝出場など夢のまた夢、陸上部員は寮の部屋にパチンコ台を持ち込んで暇をつぶすほどの弱小チームだったようだ。そんなチームを強豪校に成長させた原晋監督。平成16年に監督に就任し、5年目の平成21年に33年ぶりに箱根駅伝本戦出場を決め、昨年は創部96年目にして初の優勝に導いた。

原監督が弱小チームを強豪校に押し上げた要因は何か。原監督は著書の中で「箱根駅伝に出場して優勝するという部としての目標を明確にしたこと、そして監督である私自身が退路を断って目標に全力を上げる覚悟と強い意志を部員たちに示したことである。」と述べている。中国電力のエリート社員だった原監督は、その座を投げ打って「3年契約の嘱託職員」として監督に就任した。まさ「退路を断って」監督を引き受けたのである。
そして具体的には、目標達成のために部員一人一人と面談し、1年、1ヶ月、試合や合宿ごとの「個別目標」を設定させ、「目標管理シート」を作成、それを合宿所の壁に貼り出すとともにグループミーティングで進捗状況をチェックした。部員の「個別目標」の設定に当たっては、「学生が『僕はこう考えます』と言ってきたら、正反対の意見でも、まずは思うようにやらせてみる」、「『ああしろ、こうしろ』と言われてやっても意味がない。自分たちで自発的に目標を定めて『やる!』と言わないと、モチベーションにつながらない」という姿勢で、自主性を重んじた。
原監督は、箱根駅伝優勝という明確な目標を明示し、その実現に向けて何をすべきかを部員と共に考え、目標管理シートによって確実に前へと進ませた。その過程で、部員たちとの会話、コミュニケーションを大切にし、部員の状態を常に把握することに注力した。
原監督の指導法は、企業経営にも通じる。中長期の目標を明確にし、達成するための課題を設定し、実現のためにいかに取り組むかを検討する。
まずは、きちんと部下と時間をかけて向き合い、確かな信頼関係を築くことから始めるべきかもしれません。

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