イワサキ経営スタッフリレーブログ

2016年10月

2016.10.18

藻谷浩介先生の沼津講演会 ~日宇 功太~

 「デフレの正体」や「里山資本主義」などの著者である藻谷浩介先生が沼津市内で講演会を開催しました。

藻谷先生はテレビ朝日の報道ステーションやその他報道番組にはコメンテーターとして多数出演しておりますのでご存知の方も多いかと思います。藻谷先生は平成合併前の約3200の市町村の99。9%、海外72ヶ国を概ね私費で訪問した経験を持っており、人口減少、高齢化に悩む疲弊した地方都市の地域振興策を提言してきました。訪問したその中のひとつに沼津市もあり、なんと100回以上訪問しているとの事です。
今回の講演では「誇りと愛着を持って暮らせる沼津にするために」というテーマで、沼津市の現状を市民所得、人口動態、産業の趨勢を各種データに基づいた事実からアプローチし、空気や雰囲気といった感情や先入観に左右されない今の沼津市の問題点を分析していただきました。
私自身も県内各市町村の人口動態や年齢構成、事業所数の推移などの各種統計データは仕事柄知っておく必要があることから馴染みがあったのですが、藻谷先生の問題点抽出のための各種データの選定や分析の切り口は秀逸でした。そこで浮彫となった沼津の姿は残念ながら非常に危機的なものでした。これからの税収を支える20代前後の若い世代の人口減少率が全国の人口15~25万人の都市内でワースト2だったのです。これは人口動態(減った増えた)だけではなく、比較対象の市町村人口規模、住民の年齢別、更に震災後の特定期間に焦点を当てることにより沼津市の構造的とも言える問題があぶり出される結果となっています。
他の比較対象としている市町村に比べ若い世代の流失が止まらないのはなぜか。私は今回藻谷先生がテーマとして挙げたフレーズが物語っていると痛感しました。「誇りと愛着」です。
特に若い世代より上の世代が「誇りと愛着」を失っているのではないかと思います。過去の沼津市の賑わいを懐かしむ事よりも、年間を通じた穏やかな気候、東名や新幹線などの交通の便、沼津港への年間150万人の来場客数、富士山の見えるロケーション、千本松原の貴重な原生林などこれらの恵みに今改めて気づき、若い世代へ沼津市復活への資源として自信を持って伝えてゆく必要があるのではないでしょうか。

2016.10.18

遺言書のススメ ~小野崎 一綱~

 暑さも一段落した秋は過ごしやすく、そして様々なことに挑戦しやすい季節でもあります。その「秋」ですが、食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋などのように、「~の秋」という風によく表現されます。

読書の秋と言われるようになったのは、秋の気候が読書に適しているからと言われています。夏の暑さも一段落して夜が過ごしやすくなり、本を読むのに最適な気温になるのが秋なのです。人が集中するのに最適な気温は18度前後で、秋ごろの気候がぴったり。同じく18度前後になる春から夏にかけては、梅雨の季節と重なるために蒸してしまいます。しかし、秋ならあまり湿度も高くないため、集中して本が読みやすい環境が整うということです。
さて、私が主な仕事としている相続についてですが、最近「終活」や「エンディングノート」など、人生の最期にスポットを当てた関連書籍が数多く発行され、それに関するセミナーも盛況です。ところがその一方で、遺言を実際に書いている人の割合はそれほど増えておらず、日本における遺言普及率は数%程度だとも言われています。季節的に集中のできる秋、春から夏にかけ考えていたことを実行しやすい季節と私なりに理解しています。脅かすわけではありませんが、相続の現場では財産の大小問わず、こんなはずではなかった。まさか我が家が、という言葉をよく聞きます。わずかな財産でも、少しでも多く欲しいと思うのが人の心理です。自分の子供たちは仲がいいと思っていても、周囲も思惑も関わってきてトラブルになるのが相続です。あえて、これをしておけば防げた、とは言いませんが、遺言さえあれば。と思う事がしばしばあります。
皆さんは、遺言で最も大切なことは何かご存知でしょうか? 「要式を守って作成すること」や「遺された人が争わないようにすること」など、色々と思い浮かぶかも知れません。しかし、最も大切なことは、「書くこと」です。法的に無効な遺言であっても気持ちが伝わることはありますが、書かれていない思いが正確に伝わることはないと強く肝に銘じて下さい。遺言の秋、皆さんも今一度、人生を振り返り、家族のため、ご検討いただければと思います。

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