イワサキ経営スタッフリレーブログ

2014年04月

2014.04.16

相続時精算課税制度 ~八木 貴大~

 平成15年に従来の贈与(暦年課税制度)に加えて、相続時精算課税制度という贈与の方法が誕生しました。精算課税制度の導入された趣旨は、わが国では高齢化が進んでいるが故に、相続による次世代への資産の移転が遅れがちであり、消費を拡大するために、多く消費をする子の世代への贈与をスムーズに行ない、経済社会を活性化する目的です。

相続時精算課税制度とは、従来の贈与との選択制となっており、2,500万円まで生前に贈与をした場合には贈与税が軽減されますが、その名前のとおり相続の時には、贈与した財産と相続時の財産を足した金額に相続税を課税するという制度です。ただしこの制度は原則として65歳以上の親から20歳以上の子供への贈与にのみ限られており(住宅資金贈与の場合は親の年齢制限なし)、贈与した年の翌年3月15日までに相続時精算課税制度を適用することを税務署に提出する必要があります。
なお、一旦相続時精算課税制度を選択すると、その贈与者については従来の贈与に戻ることはできません。相続時精算課税制度を選択すると、2,500万円を超えた場合、一律20%の贈与税がかかります。
例を挙げますと、配偶者と子供1人が相続人の方で、相続時精算課税の適用を受け、子供が2,000万円まで贈与を受けており、相続時に2,000万円の財産があったとします。平成27年1月1日に相続税の基礎控除が3,000万円+法定相続人1人当り600万円に引き下げられた場合では基礎控除は4,200万円です。この方の相続税の計算は4,000万円のため、相続税の申告の必要がなく、生前に2,000万円の贈与を行うことが可能です。
平成27年1月1日に相続時精算課税制度の適用要件が、60歳以上の親に年齢が引き下げられ、20歳以上の孫を追加します。本制度のデメリットは贈与財産が民法上の特別受益に該当する事や、贈与財産が他の相続人に明らかになってしまったり相続税のかかる人は税負担が増えてしまうケースが挙げられます。
相続税がかからない方や、確実に値上がりする財産を持っている方等は一度精算課税制度の特徴に目を向けてみるのもよいのではないでしょうか。贈与を活用し、相続が争続でなく円満な想続を迎えるために親・子・孫でじっくり検討して次世代に想いを継いでいただきたいと思います。

2014.04.16

「終活」のすすめ ~山田憲義~

 最近話題の「終活」ですが、終活の一つとして残された家族が安心して財産を相続できるようにと遺言書を残される方が多くなってきました。

この遺言書ですが、大きく分けると、①自筆証書遺言書と②公正証書遺言書の二つがあります。最近は書店でも自筆遺言作成キットと言う物も販売されており、手軽という理由で自筆の遺言書を作成される方も多いようですが、そこには大きな落とし穴も潜んでいます。
自筆証書遺言が法的に認められるためにはいくつもの細かい規定が定められており、不備があれば無効になってしまう可能性もあるのです。
また仮に内容に不備なく作成していても、公正証書遺言のように相続開始後すぐに遺言の内容を実現できるわけではなく、まず亡くなった方の出生から死亡までの繋がった戸籍等、様々な書類を揃えたうえで、家庭裁判所での「検認」手続きを受ける必要があります。さらに最近では、家庭裁判所の検認を受け、遺言の存在と内容を証明された自筆証書遺言であっても、実際に金融機関や不動産の名義変更等の相続手続きにおいては拒否される場合もあり、結局残されたご家族にとって、自筆証書遺言は決して手軽な遺言とならないことがあるのです。
以上のようなことから、確実に次の世代への財産の引継ぎを望むのであれば、「公証役場」で作成する公正証書での遺言をお勧めします。
また、この公正証書遺言書と併せて是非残しておきたいのが、「エンディングノート」です。エンディングノートには遺言書と違い法的効力はありませんが、自分の死後についての希望やご家族への想いを伝えられることはもちろん、親族や交友関係などの連絡先も書き残すことができ、一冊用意しておけば〝いざ〝と言う時に残されたご家族の負担を軽減できます。
何よりエンディングノートを残す理由は、これまでの自分自身を振返り、体験してきたことを次世代に書き残し、自分の想いを伝えることが出来ることです。
これからの毎日を心豊かに、安心して過ごすために、そして素晴らしい人生の集大成を自分で演出するためにも、是非エンディングノートを活用していただければと思います。

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