イワサキ経営スタッフリレーブログ

2013年06月

2013.06.20

道は必ず開かれる ~高島 正明~

 安倍首相の政権下になり、金融緩和政策をはじめとした効果が現れ大手企業に続いて中堅・中小企業も続々賃上げという景気の良いニュースが流れているが、大方、中小企業はそんな状況にはないと思われる。アベノミクスは、中小企業を視野に入れていないという声も聞こえてくるのが現状である。

そのような時期に中小企業金融円滑法が、平成25年3月末を持って終了することになった。金融庁は、円滑法を利用した企業は30~40万社前後で、そのうち5~6万社が自主再建困難と推計している。つまり、倒産予備軍が5~6万社があるということである。
そこで、心配されるのが、金融機関の対応である。しかし、急激な対応の変化は起こらないだろう。政府は、経営改善・事業再生などの取り組みを推進しながら中小企業・小規模事業の皆さんに資金繰りに万全を期すように言っている。中小企業庁も経営支援型セーフティネット貸付等により、厳しい業況にあり認定支援機関等の経営支援を受ける場合や雇用の維持・拡大を図るための場合等に対しては、基準金利の引下げの実施をしてくれることになっている。また、複数債権を一本化し、返済ペースを見直すことで、月々の返済負担が軽減できる。新たに据置期間を設けることもできる方法もあるのである。公的支援策として、経済産業省が各都道府県に設置した中小企業再生支援協議会(事業再生を支援)、同協議会と中小企業整備基盤機構が中核となった中小企業支援ネットワーク(経営相談)、同機構と地域金融機関などが連携した(出資・融資)、地域金融機関や税理士・弁護士などの中小企業経営力強化支援法に認定を受けた経営革新支援機関(計画策定支援)などの対応に万全を尽くしている。
特に、必要になってくる実現可能性の高い抜本的な経営再建計画の作成が重要なカギとなってくる。基本的な問題点の解消(経営が傾いた原因の追究と具体的な改善策)、収益の見通し(業界全体の動向)、自社の技術やノウハウの競争力、貸倒発生の精査及び、トップの指導力などあらゆる可能性を経営者と共に、考え決定することがなによりである。ただ、金融機関も事業の見通しが全く立たないようであれば、厳しいが休業、廃業等の勧告を余儀なくされることもある。
しかし、「ネバー・ギブアップ」の精神を忘れず、明るく前向きに道を切り開きましょう。未来を信じて!

2013.06.20

石炭火力発電の復活 ~宮川 良太~

 東日本大震災による電力危機は、今日において、私達の日常生活を脅かす、しかも未解決の大きな課題となっています。原子力発電を継続すべきか、または、それに代わる代替エネルギーの主力を何に求めるのか。残念ながら、現状においては、明確な方針は示されていません。一方、こうした渾沌とした現状の中、既存の石炭火力が注目されだしたのです。

石炭火力の歴史は古く、紀元前3世紀頃の古代ギリシャで利用されていた記録があり、イギリスにおける産業革命においては、石炭が大きな役割を担ったのです。
しかし、その後の石油採掘技術の発展により、発電の燃料が、石炭から石油へ変遷しました。我が国においても、1962年の石油輸入自由化により、火力発電用の燃料の主役が石炭から石油に変わったのです。
そしてさらに、1979年のIEA宣言により、石油火力発電所の新設が原則禁止されたため、燃料の多様化が求められ、火力発電においては、石炭、液化天然ガスの利用。また、火力に代わる原子力発電の利用も拡大されてきました。東日本大震災以前においては、我が国の電気のうち石炭約24%、
液化天然ガス約27%、原子力約31%の比率にてまかなわれていました。
東日本大震災以後、安全基準の見直しにより、ほとんどの原子力発電所が稼働停止の状況です。
2011年12月の発電実績では、原子力発電の割合が1割以下であり、火力発電が8割前後を占めているとのことです。
こうした現状において、このまま火力発電用の石炭利用が拡大しても問題はないのでしょうか。
石炭の燃焼により、硫黄酸化物・窒素酸化物・煤塵が発生します。このことによって、高度成長時代の大気汚染の再来が懸念されますし、京都議定書による温室効果ガスの排出削減義務のメンバーから離脱したことも大きな不安材料です。
一方、前述の懸念に対して、我が国においては、石炭火力の環境対応技術や効果的燃焼方法の開発が進み、大気汚染物質の90%以上を除去できる技術があるという好材料もあります。つまり、環境負荷の低減による環境にやさしい火力発電の登場であり、石炭火力の復活です。
原子力から自然エネルギーへの転換の狭間において、今日の石炭火力に注目したいところです。

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