イワサキ経営スタッフリレーブログ

2020年07月

2020.07.31

企業の社会的責任と新型コロナウィルス

 1900年代以降、我々は激変の時代を迎えてきました。1901年3月からのバブル崩壊による景気後退、2001年9月11日にはアメリカ同時多発テロ事件、2008年9月15日にアメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザースが経営破綻したことに端を発しての連鎖的な世界規模の金融危機(リーマン・ショック)、2011年3月11日に発生した東日本大震災と10年の単位で多くの経験をしてきました。

 
2020年1月より中国の武漢より全世界へ蔓延することになった「新型コロナ」に見舞われることなりました。政府も感染拡大を防止する対応策を2000年4月7日に緊急事態宣言を出し、その後更に4月16日には対象地域を拡大し外出の自粛等についての協力要請、施設の利用制限についての要請、都道府県をまたいだ不要不急の移動の自粛要請、繁華街の接待を伴う飲食店等への外出自粛要請をし、必死の食い止めに躍起になっています。特に観光業・飲食業をはじめ、休業を余儀なくされる中小企業・個人事業主に対して、休業補償、雇用調整助成金、持続化給付金等の受付開始をすると共に、資金繰り悪化に伴う新型コロナウィルス融資(政府系・民間)も早期に対応しています。しかし、状況が長引けば耐え切れずに倒産に追い込まれてしまう企業も出てくると思われます。
 
本来企業は永続が前提であり、利益を追い、株主に最大限に報いることが使命です。しかし、平時に当たり前の企業行動がこのような危機においては、社会、従業員などの利害関係者に配慮する姿勢が求められる責任も負うものだと考えます。若い女性に人気のイタリアの高級ブランドのプラダが医療用の防護服とマスク生産に乗り出し、フランスのルイ・ヴィトンが香水などの生産ラインを変更して消毒剤を作り始めたようです。日本でも家電メーカーのシャープがマスク生産を開始したというニュースを耳にした方も多いかと思います。
 
製薬会社も早期にワクチンや治療薬の開発に向けて競争より協調を訴え、世界的にも情報の共有化をしています。自分さえ良ければ言う生き方では、社会は崩壊してしまうことをわかっています。この逆境がこれからの未来を変えることになるでしょう。コロナが収束したら終わりではなく、今までの「生活」・「企業の在り方」・「働き方」が変わるという事実を受けいれ、ヒントとして捉えることが求められている気がしてなりません。
 
~高島 正明~

2020.07.31

共生社会と地方経済再生

 新型コロナ感染により、現在のグローバル経済の見直しが指摘されています。効率性・利便性を求めるあまり、偏った経済活動の在り方の弊害が、コロナ感染下において露呈されました。

東日本大震災の後、価値観の転換の必要性が唱えられ、原発の存在意義そのものが疑問視されました。しかしながら、この課題については、今日においても明確な方針が提示されていないのが現状です。さて、今回のコロナ感染を機会とする発想の転換は、果たしてどの方向に舵を切るのでしょうか。
今日、人間社会に最も必要とされるキーワードとなるもの。それは「共生」です。共生とは、生物学的には、複数種の生物が一緒に生活している状態ということですが、現在使われている「共生」という言葉の概念は、「国籍・民族・障害の有無などに関わらず対等な関係で生きていくこと」であり、一言で表すならば“多文化共生”ということです。
翻って、コロナにより大打撃を受けた地方経済をいかに再生させていくべきか。この課題に対しては、「循環型共生社会」に基づく「地域循環型経済」という理念が不可欠だと思われます。今までの地方再生は、外部に対してのアピールが主体であり、地域内における経済再生の意義と目的の不明確さが課題であると指摘されています。
地域循環型経済の考え方は、従来においては、地域の資源消費をいかに効率的に活用するかという視点に重きが置かれました。つまり、地産地消を推進し、地域再生を図りながら地域経済に競争力を持たせるという考え方です。しかしながら、この方法による地域再生は、特定の地域に偏り、現状では、広く循環型経済を推進する原動力となっていません。では、今後においてどのように地域循環型経済を実現すべきか。
「共生」という共通意識の基に、地域の所得増加と人口増加を目的として、地域内における特性を幅広く共有し、お互いが認め合う地域循環型の経済活動をつなぐシステム構築が必要不可欠なのです。(地方財政の改革も含めて)
最後に、「地域循環型経済」の実現のための重点課題とされる二項目を記載しておきます。
① 地域の未来についての共有ビジョンの開示
② 外部に頼らず、足元をしっかり見据えた地域経済活動
 
~宮川 良太~

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