イワサキ経営スタッフリレーブログ
2026.05.05
サナエノミクスと小規模事業者
サナエノミクスという言葉を耳にすることは増えたが、小規模事業者の多くは「そんな政策があることすら知らなかった」と口をそろえることが多い。朝から晩まで働き、帳簿をつける時間もままならない。ましてや政府の支援策を調べる余裕などない。
私たちは、日々現場に接しているが政策の良し悪しよりもまず「情報が届いていない」という現実を痛感している。
積極財政でお金が回りやすくなると言われても、忙しい事業者にとっては遠い話のようだ。実際に融資を受けられるのは、
帳簿が整理され、事業計画を説明できる企業に限られる。小さな飲食店や個人経営の工務店では、そもそも書類を揃える
時間がない。「銀行に行く暇がない」「何を準備すればいいのかわからない」という声が圧倒的である。政策の追い風を受けるには、まず、準備の時間が必要だが、その時間すら取れないのが現場の実情でもある。
補助金も同じである。DX、人材育成、設備投資など対象は広がり金額も大きい。
しかし、申請書類は複雑で説明内容もわかりずらい。私たちの顧問先でも、「書類が多すぎて途中で諦めた」「申請のために店を閉めるわけにもいかない」という声が後を絶たない。制度そのものはありがたいのに、忙しい人ほど使えない。
これが小規模事業者の現実だ。だからこそ、会計事務所の役割は大きい。私たちの仕事は、単に帳簿をつけることではない。
・事業者の代わりに制度を調べ、使えるものを選び出すこと
・忙しい経営者に代わって申請の段取りを整えること
こうした複雑な状況を翻訳する機能と段取りこそが、小規模事業者にとって最も価値のある支援だと感じている。
サナエノミクスがどれだけ大きな政策でも、現場の悩みは驚くほどシンプルだ。「人がいない」「物価が高い」「毎日忙しい」。
この三つがすべてを支配している。政策が立派でも、使えなければ意味がない。むしろ、書類が少し減るだけで救われる事業者は本当に多いと思う。結局のところ、サナエノミクスが小規模事業者を救うかどうかは、政策の規模ではなく「どれだけ現場に届く形にできるか」にかかっている。私たち会計事務所のミッションは、その届かない政策を使える支援に変えることだ。
忙しい事業者が本業に集中できるよう、制度の壁を低くし背中を押す存在でありたい。
イワサキ経営グループ経営支援課 齊藤直也








