イワサキ経営スタッフリレーブログ
2023.03.11
相続した要らない土地を、国に返せる制度がスタート!
「親から、売れない土地を相続したんだけど、誰か引き取ってくれないかなぁ…。」
このような思いを持った方は珍しくありません。相続手続き専門の行政書士として日々お客様に接していると、頻繁にこのようなご相談が寄せられます。
今までは、「この地域の田畑は規制が掛かっているので、残念ながら農家さん以外には売れないんですよ…。」などというご回答をする他ありませんでした。
ですが、要らない土地を正式に国に返せる制度、『相続土地国庫帰属精度』が、遂に令和5年4月27日からスタートします。
あくまで相続した土地ですので、売買等で購入した土地は対象外となっています。
また、令和5年4月27日以降に発生した相続だけではなく、それ以前に起きている相続についても適用されます。多くの方がご興味を示すのではないでしょうか?
返せる土地の種類は田畑や山林だけではなく、雑種地や原野、そして宅地も対象です。
おそらく売れなくて困っている方が多いであろう、田畑や山林の制度利用が中心になると私は予想しています。ですが、タダで返せる訳ではありません。現在検討中の『審査手数料』に加え、『負担金』も必要となります。こちらについては資産価値が高くなければ、面積に関わらず一筆20万円となるようです(山林のみ、面積に応じて算定)。市街地の宅地や田畑については、負担金はより高額になります。こうした土地については、売れるなら売った方が良いでしょうね。
更に、国に返すことができない土地の要件としては、①建物が建っている、②抵当権などの担保がついている、③他人が利用する予定がある、④土壌汚染されている、⑤境界線が不明瞭で争いがある、等々が挙げられます。これ以外にも、様々な事情により管理や処分に多額の費用が掛かると見込まれる土地も対象から外れます。これは仕方ないですね。
この記事を書いたのは令和5年1月9日です。こちらの記事を皆様がご覧になる頃には、より詳細な制度が発表されているかもしれません。関心のある方は法務省のWebサイトをご覧下さい。
一般の方にもできるだけ理解しやすいよう、可能な限り難しい法律用語は抑えました。士業やコンサルタントをされている方にとっては、やや曖昧な表現かもしれませんがご容赦下さい。
イワサキ経営グループ 大澤 祐紀