イワサキ経営スタッフリレーブログ

2021年11月

2021.11.22

新型コロナウイルス関連破綻 2000件到達

新型コロナウイルス感染拡大を受けて2020年4月に初めて緊急事態宣言が出されてから、外出の自粛や休業・酒類提供の自粛など、私たちの生活様式には勿論のこと、経済に大きな影響を与えています。

2021年8月末、新型コロナウイルス関連倒産が全国で2,000件を超えました。国内初のコロナ関連破綻が2020年2月末に判明し、1,000件を超えたのが1年後の2021年2月でした。そこから約7か月後に2,000件を突破しているので、この数ヶ月で発生ペースが加速していることがわかります。

東京商工リサーチによると2000件到達時点での都道府県別のコロナ破綻率は1位東京都0.011%、2位香川県0.081%、3位大阪府0.078%、4位栃木県0.071%、5位佐賀県0.070%。一方、破綻率が低かったのは47位山梨県0.013%、46位秋田県0.015%、45位鹿児島県0.022%、44位鳥取県0.025%、43位宮崎県0.026%。2,000件到達時点で緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の対象になっている県が上位にも下位にも入っていることから、感染者数の動向ではなく元々あった地域経済力の格差、自治体の協力金など様々な要因によって違いが出ているのかもしれません。

業種別上位の破綻数は帝国データバンクによると2021年9月17日時点で飲食店348件、建設・工事業211件、ホテル・旅館109件、食品卸107件となっています。度重なる緊急事態宣言による休業要請等などで厳しい飲食店業と外出自粛や人の移動の制限によって需要が減少した宿泊業。そしてその飲食店・ホテル等宿泊施設の建設や施設の維持などの受注の大幅な減少によって厳しい状況となっている建設業、という連鎖的な破綻となっていることがわかります。

業績回復しないまま融資の返済がスタートする企業も出始め、過剰債務の問題も出てきており、コロナ破綻は今後も増加する可能性が高いです。コロナ禍の収束が見通せず生活様式が変化しつつある今、企業を破綻させない為の経営努力やビジネスモデルの変化、業界の事業構造の転換も大切ですが、絶え間ない支援と自治体も参加した積極的な支援策が必要となっているのではないでしょうか。

イワサキ経営グループ監査部四課 福地晏

2021.11.09

相続税の基本

相続について基本的な部分はしっかりと理解できているでしょうか。

相続税とは亡くなった人の財産を引き継ぐ際に発生する税金です。法人税や消費税と比べるとあまり馴染みがない税金です。人が亡くなった際に発生する税金なので誰もが払う必要があると思われがちですがそうではありません。

相続税には基礎控除という税金がかからないラインが存在します。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」といった計算式で決まります。亡くなった方に配偶者と子供2人がいた場合4,800万円が基礎控除の金額になります。

基礎控除は最低でも3,000万円なので、そんなに財産を持っていないから関係ないと思われがちですが、現金や預金以外にも財産に計上されるものは多くあります。一番身近な例を挙げると土地と建物です。当たり前に住んでいるので忘れてしまいがちですが、財産の比重の半分以上が土地と建物であることも少なくありません。亡くなった方の財産のほとんどが土地や建物だった場合、相続人が自分の現金や預金で相続税を払わなければならないこともあります。最悪の場合、銀行からお金を借りて払うといった場合もあります。

相続税を計算する際には亡くなった方が持っていたマイナスの財産も考慮に入れる必要があります。土地や預金だけで基礎控除の金額を超えていた場合でも、亡くなった方がお金を借りているなど、負債があればプラスの財産の金額からマイナスの財産の額を引いた金額が相続税の額を計算する際の金額になります。借入金以外にも葬儀費用や亡くなった人が払わなければいけなかった税金等はマイナスの財産です。

相続で大切なのは現状を知ることです。実際に相続が発生して相続税を支払うことが困難な状況になってしまっては手遅れです。相続税の負担を減らすことができる対策もあります。もし自分の相続が発生した際に相続税がかかるか不安がありましたらお近くの専門家に相談してみて下さい。

イワサキ経営グループ
資産税課 勝山健也

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