イワサキ経営スタッフリレーブログ

2020.11.30

アフターコロナの事業承継

 新型コロナウイルスという外的要因で、中小企業の経営者は、会社を維持継続させるために日本政策金融公庫、民間金融機関を中心に制度融資を活用して無担保・実質無利子の資金調達に奔走していた。そして、コロナ禍がひと段落着くと、今度は返済原資を稼ぎ出すためにアフターコロナ(ウィズコロナ)の中で新生活様式での会社の舵取りが必要になります。

しかし、アフターコロナの新時代では、高齢の経営者の経験が生かせることもできないため、誰に会社の舵取りを任せていくのかという「事業承継」対策が本格的に動き始めています。新生活様式に対応できないことや、高齢である経営者は感染すれば重篤化するリスクがあり、自分に万一のことがあれば、会社の存続が危ういという思いから、対策に本腰を入れ始めたようです。
日本経済のなかで中小企業の存在感は大きく2019年版の中小企業白書によると、日本の全企業359万社のうち、中小企業は358万社と実に99.7%。従業員数でみれば、全企業の4679万人のうち3220万人と約7割だ。中小企業は、雇用の担い手として従業員家族の生活を支え、様々な技術や技能を継承していくという、重要な役割を担っております。
しかし、中小企業では、オーナー経営者の高齢化が深刻で経営者の年齢で最も多いのは、1995年は47歳だったが、18年には69歳になった。多くの中小企業で世代交代が進んでいないのが現状です。
適当な後継者が見つけにくいという事情もあるが、家族や親族に候補者がいても、生前贈与の税負担や買取り資金の負担が重かったり、なかなか踏み切れないという課題も大きいです。
中小企業のオーナー経営者が亡くなると、その相続財産である株式の株価を算定することになります。通常、財務状況の良い優良企業ほど株価は高く評価されるが、その結果、後継者に多額の相続税がのしかかれば、納税のために株式を処分せざるをえず、会社の経営が成り立たなくなることもあり得ます。
経営者の年齢を考えれば、今後10年以内で、多くの中小企業が事業承継をどうするか決断を迫られており待ったなしの状況です。
しかし、今回の新型コロナウイルスという外的要因は、経済状況を悪化させ、会社の価値を大きく棄損させてしまっているというマイナス要因が大きいですが、事業承継を目前にしてその株式移転のコストである税負担を目の前にしている経営者や後継者にとっては結果的に朗報と言えます。このタイミングで自社株式を後継者に移すことを積極的に行ってみてはいかがでしょうか?
~山部 哲~

カレンダー

«11月»
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30      

アーカイブ