イワサキ経営スタッフリレーブログ

2019年08月

2019.08.30

生前の準備

 みなさんは「終活」という言葉を耳にしたことはありませんか?

終活とは「人生の終わりのための活動」の意味を指します。その言葉の意味を聞くとどうしてもマイナスのイメージを持ってしまいますが、残された家族にとってとても大事な活動になります。
生前の準備でできることの一例を紹介したいと思います。
一つ目は、金融機関をできるだけ一つにまとめておくこと。金融機関が複数あると名義変更の手続きなど非常に煩雑になってしまいます。
二つ目は生前中に家族観で財産の内容や戸籍関係の把握すること。
例えば、どこどこの金融機関がある。居住地以外の土地・家屋がある(山林など)、転籍を何度も繰り返している。などどんな状況だったかを把握しておく必要があります。特に転籍した方は要注意なのですが、亡くなった後に戸籍が必要となる場合に出生から死亡までの戸籍謄本が必要になります。出生地が例えば静岡で、会社に勤めてから東京都へ移り、定年後に地元の静岡に戻ってきた方の場合には、出生から転籍するまでの静岡の戸籍、転籍後から静岡に戻るまでの東京都の戸籍、静岡に戻ってから亡くなるまで静岡の戸籍、というように転籍した回数によって取る戸籍の数が変わってきます。
最後に相続人の確定です。相続人になるのは、配偶者・子供が主な相続人です。子供がいない場合には、亡くなった方の両親が相続人になります。ここで問題になるのは、亡くなった方には離婚歴があり、前妻との間に子供がいる場合です。離婚後、再婚をしていて子供が居たとしても、前妻の子供にも相続権が発生します。生前中に聞かされていれば問題ないのですが、聞かされているケースは稀で相続が発生して判明するということが多いです。兄弟で遺産分割について揉めることが多いのに、今まで話したことがない赤の他人と遺産分割の話をするというのはとても大変なことです。
以上のことより、相続が発生してから行動するのではなく生前の準備を出来る事からやるということをしていただければと思います。
 
~資産税課 今井彩乃~

2019.08.30

中小企業の設備投資で解決する課題とは?

 現代の中小企業は早期離職及び介護離職などの増加、団塊世代の退職による労働力の高齢化による雇用維持や少子化による人材減少、若年者の就業環境の変化による求人数の減少などによる雇用確保問題が難航しています。人手が足りない一方で、国から諸外国に対応する生産性向上が求められ、販売プロセスが複雑化する中、様々な施策を打ち出さなければ企業存続は難しいです。そこで今回はこれらを解決する設備投資導入に関して様々な助成金を見ていきます。

・業務改善助成金:中小企業などが生産性向上のための設備投資などを行い、事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合、その設備投資などに係る費用の一部について助成金が支給される制度です。事業場内最低賃金の引き上げ金額に応じて、2つのコースにより助成金が異なります。
・人材確保等支援助成金:事業主などの雇用管理改善、生産性向上などの取組による従業員の職場定着の促進に係る費用の一部について助成金が支給されます。設備投資に係る助成金は限られていますが、業務改善で賃金アップや人手確保に係る設備投資に関しては助成金申請の対象となりますので検討の余地はあります。
しかし、申請を行うにあたり何点か注意事項がありますので下記点は注意して下さい。
・助成金は毎年改正される:昨年までは申請可能であった助成金が、今年はもう支給申請を受け付けていないケースがあります。
・必要書類を整備しておく:様々な助成金の種類がありますが、共通して用意しておいた方が良い書類があります。助成金の支給申請を検討する場合には、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、就業規則、登記簿謄本などの書類は準備が必要です。業務改善助成金の場合は納税証明書、設備投資の見積書、業務改善の状況などの書類が必要となります。
・雇用保険適用事業所の事業主であること:助成金は、雇用保険の適用事業主でないと受給できません。
今回は中小企業の皆さまが設備投資を活用した助成金についてご紹介していきました。一般的に設備投資は金額の敷居が高く、抵抗がある場合でも、助成金の活用により今まで悩んでいた業務改善、生産性向上、雇用管理の改善につながる可能性は非常に高いです。ぜひこの機会に助成金申請にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
 
~推進一課 富山友登~

2019.08.05

人材確保をどう考えていくか

 現在、日本中で深刻な人手不足が問題となっています。実際、日本の生産年齢人口(15~64歳)は1995年の約8,700万人をピークに減少しており、2015年には約7,700万人と20年間で約1,000万人も減少しています。

ところが、労働力人口は1995年の6,667万人から2015年の6,625万人と約42万人しか減少していません。これは、労働力人口に占める女性及び65歳以上の人材の労働参加率が上昇しているためです。つまり、多くの女性や65歳以上の方が、会社内で活躍していることがうかがえます。小さい子供がいても働きたい女性、定年を過ぎても働きたい方に対し、企業や政府も現状に合わせる形で徐々に環境整備を行ってきてはいますが、未婚率も年々上昇していることを踏まえると働いている女性は独身の可能性が高く、総務省のデータでも女性の就業率は25歳から39歳の間は結婚・出産・育児等のため減少しています。まだまだ女性の活用は十分にできておらず、そうした女性の活用が労働力不足を補ううえで重要となってくるのではないでしょうか。
同じく総務省の「平成28年労働力調査」によると、25歳から44歳の女性の求職者の仕事に就かない理由は「勤務時間・休日などが希望とあわない」が1位となっています。企業側としては、勤務時間や職場環境などの整備が課題となってくるのではないでしょうか。職場の理解を得ながら、短時間労働や在宅勤務が導入出来れば、人材を確保出来る可能性は高まります。
また、家族をもっていて働いている男性も、妻が働くことへの理解と協力をし、家事・育児の分担をすることで、働く女性の大変さを理解することも大事でしょう。それが、まわりまわって自分の会社で働く女性の大変さへの理解に繋がり、負担軽減への取組もしなくてはならないと考えるようになるのではないでしょうか。自分自身も家事のため、早く家に帰らなければならないので、自身の負担軽減もしなくてはなりません。限られた時間の中で効率的に仕事をすることに繋がります。女性の働きやすい会社は、男性も働きやすい会社になるのではないでしょうか。
~推進二課 西島佳祐~

2019.08.05

消費税増税がもたらす制度改正と対応

 平成から令和へと変わり数ヶ月が過ぎた頃かと思います。

今年は元号が変わり、10月には消費税の増税も見込まれるという変化の多い1年と感じられます。
その中で今回は消費税増税が行われるのと同時に介護報酬の臨時改定が行われることも決まっており、介護事業者や介護事業所で働く職員の方々には大きな影響を与えます。
今回の介護報酬臨時改定は、消費税増税に伴う介護事業者等の消費税負担が増加する分に対する補填や、介護職員等特定処遇改善加算の新設によるプラス改定となります。
今回は介護職員等特定処遇改善加算を例に制度改正やその対応について事例を交えお話します。
まず、介護職員等特定処遇改善加算とは、リーダー級の介護職員について他産業と遜色ない賃金水準を目指すために、要件を充たす介護事業所に国が新たに支払う介護職員等に対する人件費の一部と考えてもらえればと思います。
この処遇改善加算は、職員に対する賃金改善であり勤続10年以上の介護福祉士には月8万円の改善を行う、という内容で話を聞いたことがある方もいらっしゃるかと思います。
しかし、この処遇改善加算は上記の要件を充たす介護職員に給料を月8万円増やすことも可能である一方で、実際には賃金改善に対する分配の方法は事業所ごとに一定のルールを設けることも可能であり、必ずしも勤続10年以上の介護福祉士であることで月8万円の賃金改善がされるものではありません。
こういった話題については、経営者と職員ではそれぞれ制度に対する認識が異なることやすれ違いもあり、とある事業所では職員が今回の制度とは別の制度での国からの1人当たりの賃金改善額を知り、自分には然るべき賃金改善がされていない、と主張する方もいらっしゃったと聞きます。
実際には、賃金改善額は事業所へ適正に入金しており、職員に対する賃金改善の分配額もまた制度に則って適正に行われています。
このように事業所側は適正に対応をしているにも関わらず、職員の認識とのズレにより誤解を生じるというケースもありますが、今回の話は、制度の対応を考える一方で、制度の概要・実態などを職員全体に対し説明をする、といった内部的な対応をすることも大事だと痛感する事例でした。
~推進二課 戸部翼~

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