イワサキ経営スタッフリレーブログ

2019.06.19

立地適正化計画

 平成26年の都市再生特別措置法の改正により、「立地適正化計画」が制度化されました。この「立地適正化計画」については初めて耳にする方も多いかと思いますが、近い将来、皆様のご所有の住宅等の不動産の価格に影響が出る可能性があります。

多くの地方都市では、これまで郊外開発が進み市街地が拡散してきましたが、今後は急速な人口減少が見込まれています。拡散した市街地のままで人口が減少し、居住が低密度化すれば、一定の人口密度に支えられてきた医療・福祉・子育て支援・商業等の生活サービスの提供が将来困難になりかねない状況にあります。
このような人口減少の中でも、持続可能なまちづくりを維持するには、行政は生活サービス機能を都市の中心拠点や生活拠点に集約するとともに、その周辺や公共交通の沿線に居住を誘導し、公共交通の充実を図る「多極ネットワーク型コンパクトシティ」の推進を目指していいます。
立地適正化計画は市町が計画するものなのですが、計画には、居住誘導区域と都市機能誘導区域の双方を定めることとなっています。
居住誘導区域は、人口減少の中にあっても一定エリアにおいて人口密度を維持することにより、生活サービスやコミュニティが持続的に確保されるよう、居住を誘導する区域です。都市機能誘導区域は、医療・福祉・子育て支援・商業といった施設等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより、これら各種サービスの効率的な提供を図る区域です。
私は同一市町内でこのような居住や都市機能を誘導する地区を定めることにより、まちづくりや住民への行政サービスの格差を生じさせ、居住・都市機能誘導区域以外の区域の切り捨てが進行する事態を危惧しております。当然同一市町内でこのような居住・都市機能誘導区域を定めることにより地域内の不動産価格にも大きな格差が生じることは必至です。
全国の市町でこの立地適正化計画の策定が進行している事をご存じの方は少ないかと思われます。私は立地適正化計画やコンパクトシティの名のもとに、一部地域の切り捨てが進行せぬよう、市町に住む住民みずからが行政の政策を監視するとともに、積極的に都市計画やまちづくりに対する意見を行政に届ける必要があると考えます。
~総合産事業部 日宇功太~

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