イワサキ経営スタッフリレーブログ
2018.10.26
食べ残し問題 ~齊藤 直也~
売れ残りや食べ残しなど、食べることができる食品が廃棄されることを食品ロスといいます。
日本では年間2,842万トンの食品廃棄物等が出されています。そのうちまだ食べられるのに廃棄される食品いわゆる「食品ロス」は年間646万トンにも及びます。これは世界中で飢餓に苦しむ人々に向けた世界の食糧援助量(320万トン)の約2倍にあたります。また食品ロスを国民一人当たりに換算するとお茶腕約1杯分(約139g)の食べ物が毎日捨てられていることになるのです。そもそも食品ロスを発生させる要因の一つとして消費者の過度の鮮度志向にあるのではないかとも言われております。
アメリカでは、食べきれなかった料理はお持ち帰りができる文化になっています。「MOTTAINAI」という言葉がかつて世界で注目されましたが、食べ残し問題については、我が国は世界の先進国には遠く及ばない状況であることがわかります。大切な資源の有効活用と環境負荷への配慮から食品ロスを減らすことが今まさに必要だと思います。
農林水産省は、この現状に対して2017年に飲食店向けに「飲食店等における食べ残し対策に取り組むにあたっての留意事項」を作成しました。
その内容は、食べきりの取組みを促進することにより「食べ残し」の削減を進めることを前提として、残った料理を持ち帰る場合は、食中毒リスクを十分に理解した上で、自己責任の範囲で行うことなどを紹介しております。
環境省、地方自治体が推進している「3010(さんまるいちまる)運動」というものがあります。これは宴会での食べ残しの発生を減らすために「乾杯後30分は席を立たずに料理を楽しむ、お開き10分前になったら席に戻って料理を楽しむ」といった内容になっております。
また、福井県が音頭をとって「全国おいしい食べきり運動ネットワーク協議会」というものが設置されました。こちらでは「宴会五か条」というものが作成されており、現在354自治体が参加しており、ます。どちらも飲食店の「消費者の適当量の注文」「持ち帰りの普及」を根底においております。
確かに日本の気候や食文化、衛生面から食品の持ち帰りには適さないといわれています。しかしながら消費者と飲食店の双方が食品ロス問題の認識を高めることにより消費行動の改善が見込めると思います。食品ロス削減のため、できることから一つ一つ始めてみませんか。