イワサキ経営スタッフリレーブログ

2016.07.21

中小企業 2030年に消滅? ~山部 哲~

 『日本経済を支える中小企業が「消滅」の危機を迎えるかもしれない。経営者の中心年齢は2015年に66歳となり、この20年で19歳上がった。円滑な事業承継や若者の起業が進まなければ30年には80歳前後に達し、いまの男性の平均寿命とほぼ並ぶ。早く手を打たないと厳しい未来が現実になってしまう。』(日本経済新聞平成28年6月6日朝刊)という記事を目にした方も多いと思います。中小企業庁が経営者の年代別の人数を調べたところ、15年のピークは66歳。1995年は47歳だったため、毎年ほぼ1歳ずつ上昇している。単純計算すると2030年には80歳に届く計算で、多くの企業が存続の判断を迫られることになるとのことです。

日本では企業数の99%超、働く人の70%を中小企業が占めると言われています。全ての中小企業が消えることはないとしても、日本経済、地域経済に与える影響は非常に大きいです。
こうした未来を避けるには、早いうちに世代交代をすることが重要になってきます。しかし、安定志向の若い世代はリスクとリターンの両面で二の足を踏む傾向にあります。
中小企業経営者の個人保証[経営者保証]という慣行が残る上、大企業と比べると収益性は低いです。中企庁の調査によると、「積極的に投資していく必要がある」と考える49歳以下の経営者は32%。70歳以上の21%を上回ります。経営者の若返りができれば、中小企業や地域経済の活性化につながる可能性があります。
M&Aを含め、経営者が代わった企業の利益率は高くなる傾向があるという統計データがあります。経営者が交代した企業の経常利益率は1.88ポイント上昇し5.50%。交代しなかった企業は3.37%と1.16ポイントの改善にとどまったとのことです。
データから見ても経営者の高齢化に伴い、積極投資や収益性が低下してくるのは間違いがないため、事業の継続・更なる発展のためにも、後継者への事業承継を積極的に行うか、M&A等による第三者への経営承継も積極的に検討すべきであることは逃れられない事実です。
中小企業を消滅の危機から救うのは、現経営者の積極的な最後の経営判断によるものが大きいと実感しています。

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