イワサキ経営スタッフリレーブログ

2014.12.22

過剰なサービス ~宮口 巧~

 皆さんは普段利用しているお店で自分に対するサービスが過剰だなぁと感じた事はありませんか? 洋服屋さんでの「何をお探しですか?」という声かけ、同じように洋服屋さんで購入後、店先までの商品を持っての見送り。タクシーでどの道を通るか、指定はございますか?と聞いた後、あれこれ話しかけてくること。美容院であれこれと話しかけてくること。飲食店で注文時の大声で「ハイ喜んで!」などの声だしなど、さらに以前経営支援に入っていた伊豆の旅館では、「お着きになったお客様に“お帰りなさいませ”と言うのが流行っていますが、それは言った方がいいですか?」と聞かれた事もあります。世代に格差はあれど、多くの人が「過剰」と感じるサービスは結構あります。

しかし、お店側も相手に迷惑だと感じられるサービスをしているとは思っていないはずです。ではなぜこの様な印象のズレが起こってしまうのか? それはお店が自店を利用するお客様との関係性や距離感を理解していないのが原因です。
特に充実した接客マニュアルが無い「地元のお店」は、お客様を全体的にとらえるのではなく、個々のお客様1人1人に関心を持つ事が大切です。例えば皆さんが気になって入った洋服屋さんがあったとします。そのお店が「お店の決めごと」として「購入していただいた方は、店の外まで商品を持って見送る」となっていても、それを当たり前のようにやるのではなく、お客様の顔を見て「出口までお持ちいたしましょうか?」と声をかけてくれるだけで、こちらの気持ちを考えてくれている事が伝わります。先ほど話した旅館の「お帰りなさいませ」については、その旅館の女将にこう尋ねました。「うちに来るお客様で、「お帰りなさいませ」とお迎えしたら今まで以上に喜んでくれるお客様は、どの位居ると思いますか?」女将は「もちろん全部ではありませんが、常連さんやリピーターさんの中で喜んでくれるかも、と思う方は浮かびます。」と応えました。 「それなら喜んでくれそうな人だけに、そっと言って上げたらいいと思いますよ」とアドバイスしました。どんなサービスも相手に「サービスする側の都合」が伝わってしまうと、良い印象を持たれないのだと思います。
あくまでもサービスされる側が自分の為に最善のサービスをしてくれるお店、と思われるサービスを提供するには「お客様と、お店や自分との距離感を感じて最適なサービスを提供する」事がもっとも重要だと思います。

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