イワサキ経営スタッフリレーブログ
2014年11月
2014.11.21
経営者の「思い」の大切さ ~栗原 徳生~
本気で従業員に働いてもらうための条件は2つある。ひとつは、経営者の思いや理念が明確にされていること。もうひとつは、そこで示された「理念」が落とし込まれ、具現化されていることである。
いくら新人社員研修で「顧客第一」を叫んでみても配属された現場の雰囲気や先輩たちの態度、そして仕事の組み立てがそうなっていなければ、新人たちは巧みにその職場の仕事のレベルを察知し、それに合わせようとする。高い意欲を持って仕事に取り組もうと思っていた人ほど、現場の実態をみて「裏切られた」という感覚が強くなる反面、「これでいいのか」となり、仕事への意欲が一気に落ちる。
サービス業は「人」がすべてというとき、それは個々の人間の能力だけではなく、人が集団としてどれだけのパワーを発揮できるかにある。集団とは職場の雰囲気であり、これをいかに盛り上げマネージメントしていくかが、極めて重要になる。どんなに詳細に規定したマニュアルがあっても、そのマニュアルを使って仕事をするという意識がなければ、マニュアルは絵に描いた餅となる。そしてその意識は職場の「雰囲気」によって大きく左右される。
この雰囲気づくりが格段にうまいのがディズニーランドである。ディズニーランド内で働く全てのスタッフに、ウォルト・ディズニーの生涯や映画界での実績、ディズニーランドをどんな思いでつくったかということを、ビデオ等を使ってビジュアル豊かにプレゼンテーションされる。それはこれから働こうとするスタッフたちに「ディズニーランドとはどういうところなのか」「なにを思ってつくったのか」「キャストは何をすべきであり、何が期待されているのか」といったことを伝えるためである。
たった一日だけ働くスタッフであっても、会社がなにを考え、なぜその事業をやっていて、顧客に対して何を提供したいのかを伝えることが大切であり、「本気」で従業員に向き合う姿勢こそが重要だと考えているからである。
抽象的な理念を掲げるだけではなく、自分の店や会社が、正社員はもちろん、たった一日だけのアルバイトやパートにどれだけの「ストーリー」を語れるか、改めて考えていきたい。
2014.11.21
経営理念 ~村田 圭~
先日、ある会社の経営理念発表会の招待を受け参加させていただきました。これまで私は経営計画発表会を開催したり、参加したりという経験は数多くありましたが、経営理念発表会というものに参加したことはありませんでした。
経営計画発表会は自社の今期一年間の数値計画や行動計画、目標等を発表し、社員全員が同じ目標に向かっていくための年初の儀式のようなものです。ただ目標を立てて経営者が思っているだけでは目標は達成できないので、全社員で共有するこの場は非常に重要だと考えています。
今回参加させていただいた経営理念発表会は今期の数値に関する目標には一切触れず、終始「経営理念」のみに焦点を当てて執り行なわれました。最初に社長さんの理念の発表があり、それを受けて全社員が自分の夢や目標を考え、話し合い、プレゼンテーションをし、最後は全社員が明日からの仕事に情熱を燃やしてやる気がみなぎっている雰囲気で終了するというとても刺激的な会でした。
経営理念とは、業務遂行における基本的価値観と目的意識と言われています。これがないと社員は何のために働いているのか分からない(存在意義の喪失)、この会社がどうなっていくのかが分からない(将来性、夢の喪失)、そして何を判断の基準としていいのかが分からない(判断基準の喪失)という状態に陥ってしまいます。逆に経営理念があり、社員全員がその理念を理解し、理念に基づいて考え行動できる会社は、判断に迷った時は理念に基づいて決断し、目標に向かってまい進していける会社となります。
会社の経営計画を策定するときに経営理念は必ず通る道と言えるでしょう。しかし、多くの経営者はここには注力せず数値計画に集中してしまうことが多いように思います。会社の経営には数値計画は絶対に必要な要素です。無計画に船を走らせても目的の港に着くのは困難であり、計画を立てその都度計画と実績を見直すことで海路が途中でずれていないかを確認し、ずれているならば早期に軌道修正をしなければ目的地には着けません。
しかし、いくら考えつくした目標数値があっても社員が疑問を持って目的を共有していなければ社長一人の力では目的達成は困難です。まずは経営理念を立て、全社員でその理念を共有し、その先に今期の数値計画、行動計画がなければ目的の達成は難しいと改めて強く感じる経験でした。
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