イワサキ経営スタッフリレーブログ

2013年12月

2013.12.13

中小企業の対応 ~山部 哲~

 メガバンク間にみられた業界再編の動きは、三菱UFJフィナンシャル、三井住友フィナンシャル、みずほフィナンシャル、りそなホールディングスといった四大グループに集約されたことで、ひと段落した状況です。しかし、地方銀行においても着実に再編の波は押し寄せてきていますが、銀行数の過剰状態であるオーバーバンキングと言われる状態が、いまだ続いております。信用金庫においても同様で、順次、淘汰・集約がされていくと推測されます。

一方、中小企業金融円滑化法が期限を迎えましたが、金融機関は基本的には同法適用時と同じ対応をするよう指導されてきました。当然ですが、倒産件数は増加しませんでしたが、結果的には倒産予備軍の増加や、金融機関側から見た不良債権予備軍の増加につながっております。
このため、政府としても成長戦略の支援をしながらも、後ろ向きな活動である転廃業支援・不良債権処理(ソフトランディング)の支援もしなくてはならない状況にあります。
そんな中、金融庁、中小企業庁から、中小企業経営者が金融機関から融資を受ける際に、代表者自らが保証人となる個人保証において、返済のために全財産を失う等過酷な状況に陥ることを防ぐガイドライン(新指針)を策定すると発表されました。中小企業の経営に伴う不安を払拭し、円滑な事業承継や新たな起業を促すのが目的です。
これまでも法的手続きに拠らず、私的整理により、再生させることはありましたが、経営陣の退陣の要求が強かったり、個人資産の提供が条件であったり、経営者個人にとっては、非常に厳しい状況でした。しかし、今後は、新しいガイドライン(新指針)が発表され、きちんと運用されれば、中小企業のソフトランディングが進みやすくなるのではないかと思います。
また、銀行再編により、体力のない金融機関の資本が増強され、銀行の経営が安定してくれば、不良債権処理も進みやすくなります。
このように、政府、金融庁、中小企業庁の動きを見ても、進むべき方向性は見えてきております。来年に入ると一層潮目が変わってくると思いますので、取引銀行、取引先についても、十分見極めながら対応していかなければなりません。十分に情報をとりながら慎重な対応をしていっていただきたいと思います。

2013.12.13

2014年消費税率引き上げ ~井野 秀美~

 平成26年4月1日から消費税率が5%から8%へ移行することは、もうみなさんご承知の通りかと思います。その後、平成27年10月1日からは10%へ引き上げられる予定です。不動産や自動車などの高額商品の購入について、平成25年9月末までの駆け込みも終わり、あとは増税を待つだけの方もいるでしょう。物価が高騰している昨今、賃金がかわらないのにこのまま消費税が上がって生活できるのだろうかと不安に思う方は多いと思います。

消費税について、10%引き上げ時に食料品などの生活必需品の税率を低くする軽減税率の導入が議論されています。ヨーロッパでは、生活必需品への軽減税率はすでに導入されており、その内容は各国様々です。食料品に対して消費税を課さない、または軽減する国は多く、例えばイギリスは消費税17.5%に対し食料品は無税で、フランスは通常19.6%に対し5.5%の課税を行っています。他には水道料金、新聞などがあげられます。しかし、単に食料品と言っても嗜好品の意味合いのあるものについて軽減税率は適用されません。フランスではマーガリンに標準税率を課し、バターには軽減税率を課しており、その判断はあいまいなものに思えます。何を嗜好品とするのか、生活必需品にするのかはこれから議論となりそうですが、販売業者にとって明暗が分かれることになりそうです。
また、デフレ脱却のため阿部首相が不可欠としていた賃金の引き上げに至っては、来春一部の労働者の賃金が何年かぶりに上がる公算が大きいが、持続的な伸びにつながるかどうかは不透明だという見方が濃厚のようです。大手企業に調査したところ賃上げを検討していると回答した企業はおよそ3分の1だったのに対し、ベース(基本給)アップによる賃上げを検討していると回答した企業は全体の約7%にとどまりました。これは特別ボーナスの支給を通じて賃金を引き上げるということであり、持続するとは思えない理由です。
消費税率を引き上げ、賃金は上がるかわからないとなると国民の生活は厳しくなり、消費は冷え込むことになりかねません。消費税率の引き上げばかりが先行しているように感じますが、消費税率の引き上げと同時に賃金の引き上げについても保証していただきたいものです。

2013.12.13

熟年層と若年層の雇用問題 ~志田 将彦~

 先日、熟年層と若年層の雇用問題をテーマにしたある番組を見て、深く考えさせられました。

年金だけでは将来の生活が不安な為、60歳を過ぎても働きたい団塊世代と、不景気でリストラに遭い、現在は非正規社員として少ない給与で働く40、50代。一方、昨今の就職難から正社員として就職できず、非正規社員として働く20、30代。40代以上の熟年層と30代以下の若年層がお互いの意見を主張するというモノでした。
団塊世代の方は「まだまだ働けるし、今まで培った経験とスキルを活かして仕事がしたい。社会にも貢献できるはずだ。だから所得もそれなりに欲しい。」と仰います。40、50代の方々も同様に、「自分の経験やスキルが活かせるような仕事と、正規の社員として働ける環境を望む」との事。この方達は当然、バブル絶頂の日本が最も良い時代を経験されてきた方々。この方々の主張は「老後の生活に不安を感じ、現在の生活もけっして楽ではない。だから・・・」と、前述した労働環境を求める主張をしていました。
一方、社会に出た時にはバブルが終焉していてバブルの恩恵を受けたことのない30代。デフレの不景気の真只中に出生、若しくは物心ついた20代。将来の年金は期待できず、日本の先行きにさえ期待できず、将来を悲観する若者達。彼らは「熟年層、とりわけ団塊世代の人達の雇用延長によって自分たちの職が侵食されている。まずは若年層の雇用を確保するのが先決だ。スキルも経験もあるなら企業で働く事にこだわらず、起業すれば良い。」と主張していました。
どちらの言い分も解りますが、私個人としては若者を応援したい気がします。ちなみに私は両者の中間ですが、熟年寄りのアラフォーです。番組の後半では、スキルや経験のある熟年がドンドン起業し、若者の雇用の場を創れば良いとの案もありました。私もそれには大賛成です。しかし、日本はまだまだ起業するのが難しいのが現実です。シリコンバレーで何度も起業し、誰もが知る大企業に会社を売却した方が仰っていました。「アメリカと日本ではベンチャーの定義が違う。官主導ではなく、民主導でなければベンチャーは育たない。それと起業に年齢は関係ない」と。その方の仰るように民間が主導し、老いも若きも競って起業するような世の中になれば、日本の未来に期待が持てるのはないでしょうか。

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