イワサキ経営スタッフリレーブログ
2009.10.21
キャッシュ・フロー経営 ~伊海清恵~
企業活動の実態を適正に報告するためには損益計算書および貸借対照表だけでは不十分であり、キャッシュ・フロー計算書に基づいたキャッシュ・フロー経営が必要不可欠です。
キャッシュ・フロー経営とは、企業の「儲け」を会計上の利益ではなく、キャッシュがどれだけ増加したかを測る、いわばキャッシュ・フローに着目した経営管理です。ひとことで言えば、「利益を現金で残す」経営だと言えます。
企業の社長さんのなかには、「利益が出ているのに現預金がない」とか「税金を払うために銀行から借入をしなければならない」などと感じたことはないでしょうか?
では、どうしてこのような事が起こるのでしょうか?
商売とは、キャッシュを支払って商品を仕入れ、その商品を販売して代金を回収することです。その回収によって「いくら儲かったのか?」
会計上での売上は、販売時に計上します。ですから、本来は現金で仕入れて、その場で現金販売すれば、会計上の利益と現金の動きは一致します。
しかし、商売をしてくうえで買掛けによる仕入や、売掛けによる販売、または回収が手形ということになるとますます合わなくなります。
そこで、利益と現金の関係を一目でわかるように工夫したものがキャッシュ・フロー計算書というわけなのです。
キャッシュ・フロー計算書では、企業活動のお金の動きをその金額で計上していくように作成した計算書です。要するに、今現在を基準にして今後の会社のお金のたまり具合を明確にして、かつ目標とするお金のたまり具合をも明確にするということなのです。利益が出ているから云々といったこれまでの経営を改め、現預金のたまり具合を意識した経営が望ましいと思います。
永続的に企業が発展していくためにいちばん大切なものは、キャッシュと言っても過言ではないと思います。企業はいくら赤字を出しても資金が続く限りつぶれることはありません。逆に資金繰りに失敗すれば倒産します。「決算書上の利益」なるものは所詮机上の数字に過ぎないのです。つぶれない企業への体質改善をしていくためには「キャッシュ・フロー経営はとても重要なのです。