イワサキ経営スタッフリレーブログ

2009.09.04

掃除の哲学と経営 ~伊海清恵~

 先日、横断歩道で信号待ちをしていると、道路を隔てた向こう側に二十代後半くらいの青年がスーツ姿で背を丸め、何のためらいもなくゴミを拾っていました。

 皆さんの事業所では、就業開始前に掃除をしていると思いますが、掃除の重要性について考えてみたことはありますか?
 ある企業では、新入社員の研修はトイレ掃除から始まるのだそうです。自分の手で磨けるものを磨いて汚れているものをきれいにすると、自分の心も磨けている。それを重ねていくうちに「感謝」の心が沸いてきます。また、自然と職場も綺麗になり、掃除をする作業分担などで協調性が生まれ、仕事の効率化に昇華しているそうです。綺麗な環境こそ健全な精神を育む好例といえるのでしょう。
掃除をするとき、人は上ではなく下を向きます。この姿勢を通して、人は謙虚になれるのです。まじめに作業を続けることで忍耐力が養われ、感動や爽快感を味わうことができるのです。どんな些細なことでも、人に喜ばれる活動を続ければ人や社会を変える力にもなります。
 いま、企業の不祥事が多いですが、そういう会社の共通点は何か?と考えてみますと、割に合わないことを引き受けてこなかったことにあるのではないでしょうか?そして、本来やるべきことまで怠っているのかもしれません。要領よく上手く立ち回ってきたその結果だと思います。
 かつて、ローマ帝国が滅びたのは、よそから連れてきた奴隷などに汚いことを全部やらせて、ローマ市民は知的な美だけを追求していくようになったときから崩壊が始まったのです。
 私たちは誰でも、「掃除」のように平凡な事より何か大きな事を好むように思いますが、いきなり大きな事はできません。かといって、小さな事を重ね続ける、それもなかなかできません。人と違う能力を持ち合わせていればよいのですが・・・。
やはり、平凡な事を非凡に積み重ね続けるしかありません。そして、その積み重ねが大差となってくるのかもしれません。凡事を徹底するのは、発展する過程で大切なことだと思います。このきびしい時代に生き残るためには、社員全員の行動力が欠かせないのです。社員と経営者が一体となり、目標を共有し、意識改革が必要になってくるのです。

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