イワサキ経営スタッフリレーブログ

2007.07.13

現代の環境問題 ~鈴木将人~

  新緑が芽吹く今の時期、緑の中を散歩するのはとても気持ちがいいことです。森林特有の自然の匂いや音を聴いていると、自然と心も穏やかになり晴々とした気持ちになります。

 そんな森林が毎年減り続けています。伝統的な焼畑農業、薪炭材の過剰な摂取、農地などへ転用、違法伐採、大規模な森林火災などが主な原因です。
 森林は私達の生活の中でとても重要でなくてはならないものです。木材や工業原材料などの資源を生産し、私達の生活を支えているのはもちろんのこと、また自然のダムの役割も果たしています。落葉落枝などの蓄積や、それらを食べる土壌動物などの働きによって、隙間の多い土壌構造となり、雨による地表流はほとんど起きず、土地の侵食も少ない。山崩れ、土砂流などの災害を防いでくれます。また、森林は光合成により大気中の二酸化炭素を吸収して、炭素を貯蔵しながら成長することから、二酸化炭素の吸収源・貯蔵庫として地球温暖化の防止に貢献しています。
 そんな大切な森林がなくなると私達にどのような影響を及ぼすのでしょうか。森林が伐採されると、雨の吸収・再生が行われなくなります。雨は濁流となって地表面を走り、土壌や養分を押し流します。多様な森林が破壊されると、その回復には長い時間が必要で、荒廃の激しい土地などでは回復が難しいこともあります。近年多発している大規模な洪水の原因も森林の減少によるところが大きいのではないでしょうか。また、多数の種の絶滅につながります。現状のままでは今後30年間で熱帯雨林に生息する種の5~10%が絶滅すると予測されています。
 一番明快な解決策は、樹木を伐採することをやめ、木を植えて森を増やすことです。しかし現実にはなかなか進まないのが現状です。森林からの豊かな恩恵はわたしたちにとってかけがえのない財産です。そんな森林をこれから先も守っていくために、私達にできることはどんなことがあるのでしょうか。限りある資源の有効利用を行っていく必要があります。例えば、割り箸はできるだけ使わないようにしたり、紙を無駄遣いしないようにする。森林を少しでも伐採しないようにするには、古紙回収に協力すると同時に、再生紙を進んで利用しましょう。毎日の生活の中で一人一人のちょっとした気配りで、何万ヘクタールの森の運命を左右するといっても過言ではないと思います。

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