イワサキ経営スタッフリレーブログ

2025年05月

2025.05.07

企業の未来づくりに重要な2つの「価値観」

企業の経営判断や戦略決定には、「経営者の価値観」が大きく影響します。人の行動や選択は、「経験を通じて培われた価値観」に基づいて決まると言われており、企業経営も例外ではありません。特に中小企業や家族経営では、経営者の価値観が企業の方向性を左右します。

パーソナルジムを展開する企業では、創業者が学生時代に彼女のダイエットをサポートした経験から「人の人生を変える手伝いをしたい」と起業、その価値観が「結果にコミットする」という事業方針につながっています。このように、経営者の価値観を軸にした経営理念は、企業の成長を支える重要な要素となります。こうしたことから、私自身が経営理念策定サポートをする際、最も重視するのは「経営者の価値観」を明確にすることです。先日、企業投資家に「企業の評価基準」を尋ねたところ、「経営者に経営理念を聞く」「経営者の価値観が企業継続の鍵だから」とのことでした。

また、経営者の価値観は企業文化や人材採用にも影響します。「社員の成長こそが企業の成長」と考える経営者は人材育成に投資し、「効率と利益を最優先する」と考える経営者は合理化を重視します。どちらが正しいかではなく、どんな価値観に基づいて一貫性のある経営をするかが要点です。理念を明言することで、それに共感する求職者を採用でき雇用ミスマッチ防止にもつながります。

一方で、企業が市場で競争優位を築くためには「消費者の価値観」を理解することが必要とされます。消費者の購買行動は、流行に左右される「嗜好・好み」だけでなく、より深層にあり変化しづらい「価値観」に基づいています。例えば「ペットの健康重視」の価値観を持つ消費者は、多少高額でもオーガニックの餌を選び、「森林保護が大切だ」と考える消費者は認証マークの付いた商品を選びます。つまり企業が消費者に支持されるために大切なのは「どんな価値観を持つ消費者に選ばれるのかを理解すること」だと言えます。消費者トレンドの変化を把握しつつも、「顧客の価値観」に合った「自社の強み」を活かし商品開発やブランディングを行うことが、長期的なファンを獲得し、リピート率を高めるポイントになります。

こうしたことから、変化の激しい現代社会において企業が持続的成長するには「経営者の価値観」と「顧客の価値観」を深堀りし、経営戦略に反映させることが重要だと考えられています。

イワサキ経営グループ 未来設計支援課
川下真理

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