イワサキ経営スタッフリレーブログ

2024.09.05

取り残された不遇の世代

私たち、団塊世代ジュニア(1971年から1974年生)と呼ばれる年代は現在50代前半です。人口の多さから、学生時代は過当競争を強いられてきました。ようやく乗り越えた受験戦争の先にあったのは、バブル崩壊による就職氷河期です。その影響は現在でも続いています。

団塊世代ジュニアの現在の問題点として、労働市場での不安定な地位が挙げられます。バブル崩壊後の就職活動は非常に狭き門となり、多くが非正規雇用や低賃金の職に就くことを余儀なくされました。就職につまずいた結果、安定した収入が望めず、キャリアアップに苦労し、経済的な不安を抱える人は何万といます。企業が学生の内定辞退防止のため、海外旅行に招待された一つ上の世代とは事情が大きく異なります。

次に、親の介護の問題も深刻です。私たちの親世代(団塊世代)は高齢化が進み、介護が必要になるケースが増えています。自分の生活を維持しながら親の介護を行う必要があり、その負担は小さくありません。介護にかかる時間や費用を確保するのは難しく、仕事との両立は困難を極めます。特に女性は、介護と仕事の両立が求められ、精神的なストレスが増大するでしょう。

私たちの世代は将来にも大きな問題を抱えています。社会保障の財源が先細る中、人口の多い私たちの世代が老後を迎えたら…。社会保障制度の不確実性は更に高まり、一層、自助努力の必要性が増します。しかし、現役時代に十分な老後資金を蓄えられなかった人は生活困窮者となり、人口が多いだけに迷惑でお荷物な世代と化し、深刻な社会問題となりかねません。

これらの問題を解決するために、労働市場では、中高年の再就職支援やスキルアップの機会が必要です。介護に関しては、介護サービスの充実や在宅介護の支援制度の拡充も急務でしょう。老後の不安を解消するためには、社会保障制度の見直しだけでなく、自助努力による個人の貯蓄や投資の促進のために、金融リテラシー向上を図る金融教育の場も必要です。

 私たち団塊世代ジュニアの問題は、社会全体の課題でもあります。個人の努力だけでは解決が難しくもあります。国、社会全体が現状を把握し、将来に備えて具体的な対策を講じ、全ての世代が安心して生活できる環境が築かれる事を切に望みます。

イワサキ経営グループ FP課 志田 将彦

カレンダー

«9月»
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30      

アーカイブ