イワサキ経営スタッフリレーブログ

2024年09月

2024.09.19

定額減税とは?

令和6年6月からいよいよ定額減税がスタートしました。初めての制度のため、戸惑う声を多く耳にしています。ここでは、よくご質問される内容を中心にご説明しようと思います。

まず定額減税は、所得税3万円、住民税で1万円減税が受けられる制度で、対象者としては①日本国内に住所がある、②所得税・住民税の納税者である、③合計所得が1,805万円以下である(給与収入のみの場合は2,000万円)であることが条件です。給与所得の場合は、毎月の給与から所得税を上限3万円まで控除するようになります。住民税については、1万円を控除した年税額を、7月からの11回で分割して徴収することになります。

また、年金や事業所得のある方については、それぞれの機関で控除するため、別途申請は不要です。

適用の方法について、基準在職日(令和6年6月1日時点)での在職者に対して適用し、給与所得者は一律に主たる給与の支払い者の下で適用を受けることになっており、従業員から定額減税の適用を受けるか受けないかの選択や、2か所から給与を受けている方が従たる給与(乙欄適用給与)から適用を受けるなどの選択はできないものとなっております。

扶養について、配偶者については合計所得金額が48万円以下の方が対象になり、配偶者特別控除を受けている方は対象にはならないので注意が必要です。配偶者特別控除を受けている方は、ご自身の給与から定額減税を適用することになります。その他の扶養者については、生活費または教育費で38万円以上の支援をしている方が対象で、扶養控除対象外の16歳未満の扶養親族も対象となります。また、死亡または出生による扶養親族の増減に関しては、仮に5月以前に亡くなった場合は令和6年が扶養親族であるかで判断することになっており、令和6年7月に出生によって扶養の数が増えた場合、月次での減税額の増額は行わず、年末調整又は確定申告によって精算することとなっております。

最終的には12月の年末調整で年調減税することになっており、年調減税でも引ききれない場合に自治体より1万円単位で給付されることになっております。

物価高騰が続く中、この定額減税が経済的な負担軽減の一翼を担うことを期待しています。

イワサキ経営グループ 監査部 宮田 秀美

2024.09.05

取り残された不遇の世代

私たち、団塊世代ジュニア(1971年から1974年生)と呼ばれる年代は現在50代前半です。人口の多さから、学生時代は過当競争を強いられてきました。ようやく乗り越えた受験戦争の先にあったのは、バブル崩壊による就職氷河期です。その影響は現在でも続いています。

団塊世代ジュニアの現在の問題点として、労働市場での不安定な地位が挙げられます。バブル崩壊後の就職活動は非常に狭き門となり、多くが非正規雇用や低賃金の職に就くことを余儀なくされました。就職につまずいた結果、安定した収入が望めず、キャリアアップに苦労し、経済的な不安を抱える人は何万といます。企業が学生の内定辞退防止のため、海外旅行に招待された一つ上の世代とは事情が大きく異なります。

次に、親の介護の問題も深刻です。私たちの親世代(団塊世代)は高齢化が進み、介護が必要になるケースが増えています。自分の生活を維持しながら親の介護を行う必要があり、その負担は小さくありません。介護にかかる時間や費用を確保するのは難しく、仕事との両立は困難を極めます。特に女性は、介護と仕事の両立が求められ、精神的なストレスが増大するでしょう。

私たちの世代は将来にも大きな問題を抱えています。社会保障の財源が先細る中、人口の多い私たちの世代が老後を迎えたら…。社会保障制度の不確実性は更に高まり、一層、自助努力の必要性が増します。しかし、現役時代に十分な老後資金を蓄えられなかった人は生活困窮者となり、人口が多いだけに迷惑でお荷物な世代と化し、深刻な社会問題となりかねません。

これらの問題を解決するために、労働市場では、中高年の再就職支援やスキルアップの機会が必要です。介護に関しては、介護サービスの充実や在宅介護の支援制度の拡充も急務でしょう。老後の不安を解消するためには、社会保障制度の見直しだけでなく、自助努力による個人の貯蓄や投資の促進のために、金融リテラシー向上を図る金融教育の場も必要です。

 私たち団塊世代ジュニアの問題は、社会全体の課題でもあります。個人の努力だけでは解決が難しくもあります。国、社会全体が現状を把握し、将来に備えて具体的な対策を講じ、全ての世代が安心して生活できる環境が築かれる事を切に望みます。

イワサキ経営グループ FP課 志田 将彦

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