イワサキ経営スタッフリレーブログ

2024年08月

2024.08.20

中小企業向けの賃上げ促進税制とは??

賃上げ促進税制は、賃上げや人材育成などの投資を積極的に行う中小企業が税額控除を受けられる制度です。要件を満たしている中小企業は2024年4月の強化で最大45%の税額控除(ただし、控除上限額は法人税額等の20%。)を受けられるため、税金の負担を抑えつつ従業員の賃金をアップできます。この制度を活用し優秀な人材の確保や流出防止・スキルアップを実現しやすくすることにより、企業の競争力強化を見込めることが大きなメリットです。

賃上げ促進税制は、青色申告書を提出している中小企業などが、前年度の給与等をある一定以上増加させた場合、増加額の一部を法人税から税額控除できるという制度です。個人事業主の場合は所得税から控除できます。給与等の支給額をある一定以上増やすと増加額の最大30%を税額控除でき、教育訓練費の増加で上乗せできる要件を満たすと+10%上乗せ、さらに子育てサポート企業の認定を受けた証である「くるみん」以上または女性活躍推進事業主を示す「えるぼし二段階目」以上の認定を受けていると+5%、合計で最大45%の税額控除を受けられます。

また、これまでは赤字や法人税等が少ない事業年度に関しては最大限に控除を活用できないこともありました。しかし今回の税制改正により控除しきれなかった金額の5年間の繰越しが可能となり、赤字企業でも制度活用の間口が広がることになりました。このように制度としてはこれまで以上に賃金の増加を加速させるべくこのような改正の強化を行っています。

昨今では食料品や電気代、ガソリン代等あらゆる物価が上がり続けているため、実質賃金はむしろ悪化しているという声もあります。国民が景気回復を実感するには実質賃金が増加していると感じることです。先ずは中小企業の業績が良くなることが大前提ではありますが、このような制度の活用も考えながら少ない資源をどこに集中して投資していくか、検討していく余地はあると思います。

イワサキ経営グループ 監査部 善田 智洋

2024.08.06

テクノロジーについて考えてみます

今から10年前から、IT発達による自動化で税理士業はなくなるといわれるようになりました。予想は実現し、フィンテックにより、会計の記帳作業は激減しました。会計の数字を受けて作成する税務申告書は確かにややこしいですが、法律が定めるルールに則った場合分けと四則演算ですから、全自動化することは可能です。

 相続税の申告にしても、マイナンバーの普及によって、個人が保有する預金・有価証券・不動産の情報はガラス張りになりつつあります。「北海道の果てにある地銀に預金すればバレない」時代は過ぎ去ったわけです。

 「税理士の税務申告」事業は風前の灯です。ですが、どういうわけか日本では、税務に関するリテラシーが極端に低く、国民にとって税金が超わかりづらいという現実は変わりません。そのせいか、税理士業務の内、税務コンサルティング業務はなくならないと言われます。

 つまり、税理士は変わる必要があるのです。製本した申告書やラベリングした元帳を納品することに価値はありません。自動でできた数字をクラウドでデータ共有すれば事足りますから。税理士は税務の分野において、納税者が困っている問題を解決し不安を退治することにこそその価値があります。我々が注力するべきは、作業ではなく、納税者の困りごと(税金が高すぎる、資金繰りがうまくいかない、事業の拡大を計画したい…)を解決するための提案です。

 これは、何も税理士業のみの話ではあありません。AIをはじめ、新しいテクノロジーが席捲しています。歴史を見ると、「新しいテクノロジーを使う人」と、「テクノロジーを使う人に使われる人」の間では、大きな貧富の差が生まれてきました。今我々が直面している第4次産業革命は、もっと大きな二極化を生むでしょう。なんてったって中間ホワイトカラーの仕事がごっそりなくなるか、最低賃金労働になりさがります。

このテクノロジーの進化が生むであろう二極化を考えると、ここから逃げる選択肢はありません。設備投資を考える際は、良質な情報を得たうえで最先端の新しいことやものにチャレンジするのが正解です。その上で「人でなければならぬ部分」を極めることのみが価値を生みます。

理由を見つけて逃げたくなる気持ちはよくわかります。変化は面倒ですから。でも現実は現実です。ここは一発踏み出す勇気が必要です。

イワサキ経営グループ
相続資産税課静岡 小宮山麗子

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