イワサキ経営スタッフリレーブログ
2024.04.13
2024年 税制改正大綱
恒例として12月になると翌年の「税制改正大綱」が発表されます。
これは翌年度以降の増税や減税などの新しい税制措置の内容や検討事項をまとめた文書です。与党内の各党の税制調査会が議論を重ねて文書とし、政府はこの大綱を基に税制改正法案をつくり、翌年1月召集の通常国会に提出します。国会では衆議院と参議院のうち、まず先に改正法案が提出された議院において、財務金融委員会(衆議院)若しくは財政金融員会(参議院)又は総務委員会での審議を経て、本会議に付されます。可決されると改正法案は成立し、改正法に定められた日から施行されることになります。
2024年度の与党税制大綱が令和5年12月14日に決定しました。ポイントとしては所得税と住民税からの定額減税が目玉かと思います。また物価高騰に対してのデフレ脱却に焦点があてられています。大綱にて確認しておきたい主な改正事項について取り上げさせていただきます。
・定額減税
1人当たり「所得税3万円」「個人住民税1万円」の減税。また扶養家族いる場合には扶養人数分も加算でき給与所得者では所得税は6月以降最初に受ける給与等から差し引かれます。住民税は7月の個人住民税から2025年5月までの間に分割して控除されます。ただし合計所得金額が1805万円(給与収入2000万円超に相当)の高額所得者は対象外です。
・子育て支援
16歳から18歳の扶養控除が縮小し、児童手当については令和6年10月から18歳までの高校生が拡大されます。40歳以下の若夫婦について住宅ローン控除が拡充されます。(最大5000万円)住宅リフォーム税制も新設されます。
・企業関係にて賃上げ税制の強化
中小企業は現行の最大40%から45%へと変更されます。また、国内企業の約6割が赤字のため、制度を利用できなかったが、控除限度額超過額は5年間繰越が可能となります。ただし、収益が上がっているにもかかわらず賃上げしない企業への特定税額控除の不適用措置について要件が強化されています。
その他にも税制改正があるので注目していただきたいと思います。2024年度の大綱には、企業の行動変容を促すため「EBPM」(エビデンスに基づく政策立案)の強化が明記され、政策目的を明確化したうえで合理的根拠に基づき人口動態や働き方などの時代の変化に合わせた税制への見直しを進める方針のようです。
イワサキ経営グループ 役員 菊地 晃