イワサキ経営スタッフリレーブログ
2023年05月
2023.05.16
「キャリアビジョン」考えていますか?
ここ数年、企業や労働者を取り巻く環境が急速かつ広範に変化し、一方で労働者の職業人生の長期化も同時に進行する変化の時代に入っています。「VUCAの時代」とも言われています。
これまでは、会社に入社してから定年で退職するまで何も考えずにただ会社が決めたレールに乗って働いてきた方が多いと思いますが、これからは会社がいつどうなるかわからない時代に突入していきます。
このような変化の時代に必要なことは、自分の今の立ち位置や将来どうありたいかを定期的に見つめ直し、そのギャップを埋めていくことです。目の前の業務で追われてばかりの方がまだまだ多いと思いますが、時々立ち止まって10年後の自分を考え、「これでいいのかな」「思い通りでなかった場合どうすれば理想に近づくのかな」と時間を取って考えてみませんか。
一人で振り返り作業を行うのが大変な場合は、キャリアコンサルタントなどを活用する方法もあります。厚生労働省のキャリア形成サポートセンターなどでも受けられますし、企業の福利厚生としてキャリアコンサルティング制度を導入する方法もあります。企業全体で導入することで、社員ひとりひとりのモチベーションが上がり離職率を下げる効果があるほか、求人票の必須記載項目でもあるため求人面でもプラスに作用します。キャリアコンサルタントの活用は人材開発支援助成金の助成対象にもなっています。
社員のキャリアを見直すということをお話すると「転職する社員が増えるのでは」と思われる経営者の方がいらっしゃいますが、実際は逆の結果になることが多く、社員の生きがいと企業の方向性が一致することで良いパフォーマンスが生まれます。社員は少なからず「このままで良いのか」など違和感を抱えながら働いていることが多いので、話をすることで自分の気持ちや今後の働き方が整理され、モチベーションも上がります。
「リカレント教育」という言葉を見る機会も増えました。労働者が自律的・主体的かつ継続的に学ぶことで自らの意思でキャリアを作っていくことで、国も後押ししています。
会社が社員一人ひとりの生き方を一緒に考えることで、生産性がアップする一つのきっかけとなっていきます。
株式会社イワサキ経営 営業企画課 福原美奈
2023.05.10
心理的安全性
心理的安全性とは、“psychological safety”の日本語訳で、組織・チームの中で、対人リスクを恐れずに思っていることを気兼ねなく発言できる、話し合える状態を指します。この概念は、ハーバード・ビジネススクールのエイミー・C・エドモンドソンが1999年に発表した論文が最初でしたが、注目が集まったのは、Googleが2012年から約4年をかけて社内で行った実験「アリストテレスプロジェクト」で、「チームの生産性・パフォーマンスを高める最大の要因は心理的安全性である」という結果を公表してからです。
チームの心理的安全性とは、このチームでは素直に自分の意見を伝えても対人関係を悪くするような心配はしなくてもよいという信念が共有されている状態をいいます。エドモンドソンは、心理的安全性を阻害する要因は人が感じる“対人不安”だと言っており、次の4つを挙げています。「こんなことも知らないのか?」と思われる不安(無知)、「こんなこともできないのか?」と思われる不安(無能)、気難しく一緒に仕事をしづらい人だ」と思われる不安(ネガティブ)、「空気を読まない人」だと思われる不安(邪魔)です。例えば、会議やミーティングで上司や同僚の目を気にせず“言いたいこと・言うべきことを率直に言える状態”のことです。この“目を気にせず”というのは、どう思われても関係ないということではなく、自分がチームにとってネガティブな発言や他のメンバーと異なる意見を言っても、他のメンバーが悪く思ったり、疎ましく思ったりしない、上司からの評価が下がらないと感じていることです。
未だに上意下達が強い組織では、下の者は、上の者の言うことに従えばよい(従うべきだ)という規範や風土があり、心理的安全性など必要ないと考える経営層もいるでしょう。
しかし、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大のように予期しない出来事によって、あらゆる組織が変化への対応を余儀なくされる時代になっています。また、VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)、ダイバーシティ(多様性)が進む時代において、必要な情報や提案がタイムリーに伝わり、目標達成へのプレッシャーから生まれる不正行為が無くなり、失敗の中から学びチャレンジしていく仕組みや組織風土(心理的安全性の確保されている職場)は、企業が生き残っていくためには必要不可欠の条件となって行くでしょう。
イワサキ経営グループ 営業企画課 小林直己
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