イワサキ経営スタッフリレーブログ
2023年02月
2023.02.22
不動産小口化商品について
不動産小口化商品とは、事業者が不動産を一口当たり100万円ー500万円というように小口化して複数の投資家に販売し、その賃料収入から経費を引いて所有口数に応じて出資者に分配するというものです。
不動産特定共同事業法という法律に基づいて運営されており、投資商品の中ではローリスク・ローリターンであるという紹介をよく目にします。保有による収益性を目的にするというよりは、相続税の節税が可能であるという点において注目されています。
また、不動産投資を行う場合、通常ならまとまった投資額が必要となりますが、小口化した不動産であれば小額からの投資が可能であり節税のハードルが下がるという点も見逃せないポイントです。
【相続税の節税というメリット】
任意組合型の不動産小口化商品に出資した場合、賃貸用不動産を所有することと同じ税務上の恩恵を受けることが可能です。
土地の相続評価額の算定根拠となる相続税路線価は、一般的には実勢価格の80%程度と査定されており、また、建物の相続評価額において使用される固定資産税評価額は実際の建築費の60%程度の査定となるのが一般的です。
通常の賃貸物件を取得する場合と同じように貸家及び貸家建付地による評価減も適用しながら、さらに小規模宅地の特例を適用するなどが可能です。こうして相続財産の評価額を圧縮することで相続税の節税につながります。
【富裕層が注目する理由】
前述の相続対策になるということからも注目の商品ですが、他にも以下のようなことが考えられます。
- 不動産投資の経験が無くても、少額であるため気軽に試すことができる
- 幅広い分散投資が可能で、資産全体のリスクを軽減することができる
- 物件の管理のみならず、先々の出口戦略もプロ(販売事業者)に委ねることができる
これらの要因から、今後も関心を持つ方はますます増加傾向にあると思われます。
イワサキ経営グループ 資産税課 堀場竜介
2023.02.07
遺産の分け方
相続財産の分け方について、どのように考えますでしょうか。配偶者の今後の生活費のために預貯金は配偶者へ、子どもには将来有効活用するための土地を渡す。などその家によって変わってくると思います。
分け方は遺言書や遺産分割協議書で決めていきますが、相続税の面で考えたほうがよいことなどを今回ピックアップしてお伝えいたします。
まず配偶者については配偶者税額軽減という控除がありますので基本的には相続税というものは掛かりません。この税額軽減というのは配偶者が1億6千万分の財産もしくは配偶者の法定相続分相当額を相続しても税金から控除します。という制度です。この制度を活用すると一次相続では納税額を少なくすることが可能です。
ではどんな時に活用するかというと、相続税額が1,000万だった場合に納税資金としては500万しかないといった時、子どもが全ての財産を相続してしまうと1,000万の納税となってしまいますが、配偶者が財産の半分相当を相続すると、500万相当分が配偶者税額軽減で控除されますので子どもは残りの500万を納めるだけでよくなります。納税資金でまかなえるようになりますので、子どもが自身の預貯金を使って納税するということがなくなります。
しかし、二次相続を踏まえるとあまり配偶者に寄せてしまっては配偶者の相続の時に相続税がかかる可能性がありますので、理想は二次相続の時の相続税の基礎控除(3,000万+法定相続人×600万)を目安にし、今現在配偶者が所有している財産と相続する財産の合計額が相続税の基礎控除を下回るように相続していただくのが良いかと思います。そうすることで一次相続の税額は少なくでき、二次相続は税金0円という形になりますのでそのように調整が出来ると良いかなと思います。
最後に冒頭に記載した配偶者が預貯金、子どもは土地を相続するといった場合、納税するのは子どものみですので、子ども側からすると納税が困難になってしまいます。ある程度の納税額相当は預貯金で渡してあげるか生命保険を活用して相続対策をしながら子どもに納税資金として渡すということを生前中に検討するのが良いかと思います。
結婚当初で生命保険の受取人が配偶者のままになっている方はこれを機に子どもに変更するなど検討されてはいかがでしょうか。
イワサキ経営グループ 資産税課 長田 浩明
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