イワサキ経営スタッフリレーブログ

2023.01.24

ヴェブレン効果について

皆さんは、化粧水の原材料がいくらするものかご存じでしょうか?化粧水の中身は水と油がほとんどのため、原材料費は1円~30円程度です。容器やパッケージの原価が100円程度のため、実は中身よりも入れ物の方が高いのです。

ヒアルロン酸やコエンザイムQ10等の特殊材料が入っていたとしても原材料費は数円程度で済みます。その原価が安い化粧水が市場では千円から高いと数万円で売られているのです。1万円で売られている化粧水の原材料費が10円だと知ったうえで購入する方はあまりいないと思われますが、実際に高級化粧水を購入している方は数多くいます。100円ショップで購入する化粧水と百貨店で購入する化粧水の原材料費がほとんど同じでも、百貨店で売られている化粧水が売れています。では、どうして消費者は高い化粧水を購入してしまうのでしょうか。そこには「ヴェブレン効果」という、商品の価格が高いほど需要が増加する現象が発生しています。高価な成分が入っているから高いと信じ込む心理作用、それを使っていることの満足感がもたらす顕示作用(他人に見せびらかしたい心理)が働くことで、消費者を購入に至らせるのです。このヴェブレン効果は希少価値があり価格が高ければ高いほどその効果を発揮します。消費者には周りから羨ましがられたい心理があり、自分が購入する事で自分だけの特権を感じることができるのです。

化粧品会社は高級化粧水を売るためにこのヴェブレン効果を働かせる必要があり、高級そうな容器やパッケージに化粧水を入れたり、莫大な広告宣伝費を使って、この化粧品は美肌になれる、若返り効果がある等のイメージを消費者に抱かせたりすることで、消費者の購買意欲を高めています。有名な女優をCMで起用するのも、有名な女優と同じ化粧水を使用しているという満足感、有名な女優はこの化粧水を使用して綺麗になっているというイメージを抱かせるためなのです。これは化粧水に限らず、ファンデーションや口紅等の化粧品全てに当てはまります。他にも高級ブランドの衣類、健康食品、サプリ、高級車等も同様です。飲食店でも限定10食などにする事によりヴェブレン効果が働き、多少価格が高くても消費者の購買意欲が高まります。

皆さんもこのヴェブレン効果を意識して商売を考えてみてはいかがでしょうか。

イワサキ経営グループ 監査部 安部和人

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