イワサキ経営スタッフリレーブログ
2020.08.31
テレワークをするにあたり知って得なこと
令和の新時代の始まりは新型コロナ感染症という世界経済を揺るがす時代でスタートしました。危機から契機に変える手段が重要な経済活動です。中小企業経営にとって業種、地域、企業規模に関係なく感染症対策と経営対策を両立することの重要性を認識していきたいものです。
テレワークをするにあたり、書類の受取、閲覧、保存について、企業として契約書や請求書を電子化する取り組みがすすめられています。そこで「電子帳簿保存法」について考えていきたいと思います。
電子帳簿保存法とは、国税帳簿書類の電子データ化での保存を認めた法律です。1998年に制定され、当初は利用が不便な要件が多い法律でしたが、2018年の改正でA4サイズ以下の領収書等の保存が可能になったことなど要件の緩和で利用する企業が現在多くあります。具体的には電子帳簿保存法が定めていることは、「電磁記録による保存」「スキャン保存」があります。原則的な国税関係書類(帳簿、決算関係書類、領収書や請求書などの取引先関係書類発行分・受領分)の保存は申告期限の翌日から7年間、本社に保存する必要があります。
本来、書類をそのまま「紙」で保存しなければなりません。保存されている大量の資料の中から必要な書類を探すこと、大量の資料を保管することは大変なことです。そこで電子化することを税務署などへ申請することで電子保存することが認められます。「スキャナ保存」については取引先関係書類の受領分のみのデータとなっています。スキャンするデータが改ざんされていないか、書類を改ざんしてデータ化したものではないか適正な処理がされるように、税法では保存するための要件が決められています。スキャナ専用機を用意しなくても、スマホのカメラで撮影をすることもでき利用範囲は広くなっています。
電子化されているデータはテレワークなどの出先でも確認が可能で、電子化の大きなメリットです。デメリットもあります。システムを適用していくには、人材教育が必要であり、システム費用が発生します。システムを導入しても保存制度からは利益がでる業務ではないので経営者の理解が必要となります。電子化する管理リスクもありますが、時代の要求は書類、手続きの電子化に進んでおります。是非、経営者の務めとして会社の財産を適切に管理していきましょう。
~菊地 晃~