イワサキ経営スタッフリレーブログ
2020.07.31
共生社会と地方経済再生
新型コロナ感染により、現在のグローバル経済の見直しが指摘されています。効率性・利便性を求めるあまり、偏った経済活動の在り方の弊害が、コロナ感染下において露呈されました。
東日本大震災の後、価値観の転換の必要性が唱えられ、原発の存在意義そのものが疑問視されました。しかしながら、この課題については、今日においても明確な方針が提示されていないのが現状です。さて、今回のコロナ感染を機会とする発想の転換は、果たしてどの方向に舵を切るのでしょうか。
今日、人間社会に最も必要とされるキーワードとなるもの。それは「共生」です。共生とは、生物学的には、複数種の生物が一緒に生活している状態ということですが、現在使われている「共生」という言葉の概念は、「国籍・民族・障害の有無などに関わらず対等な関係で生きていくこと」であり、一言で表すならば“多文化共生”ということです。
翻って、コロナにより大打撃を受けた地方経済をいかに再生させていくべきか。この課題に対しては、「循環型共生社会」に基づく「地域循環型経済」という理念が不可欠だと思われます。今までの地方再生は、外部に対してのアピールが主体であり、地域内における経済再生の意義と目的の不明確さが課題であると指摘されています。
地域循環型経済の考え方は、従来においては、地域の資源消費をいかに効率的に活用するかという視点に重きが置かれました。つまり、地産地消を推進し、地域再生を図りながら地域経済に競争力を持たせるという考え方です。しかしながら、この方法による地域再生は、特定の地域に偏り、現状では、広く循環型経済を推進する原動力となっていません。では、今後においてどのように地域循環型経済を実現すべきか。
「共生」という共通意識の基に、地域の所得増加と人口増加を目的として、地域内における特性を幅広く共有し、お互いが認め合う地域循環型の経済活動をつなぐシステム構築が必要不可欠なのです。(地方財政の改革も含めて)
最後に、「地域循環型経済」の実現のための重点課題とされる二項目を記載しておきます。
① 地域の未来についての共有ビジョンの開示
② 外部に頼らず、足元をしっかり見据えた地域経済活動
~宮川 良太~