イワサキ経営スタッフリレーブログ

2018.09.26

事業承継に向けて ~佐野 方亮~

 総務省の「平成26年経済センサス基礎調査」によると、我が国の企業数は382万社。その内、中小企業が380.9万社と、実に全企業の99%を占めております。また、従業員数においても中小企業の従業員が70.1%と国家の経済・社会及び雇用における重要性は明白です。

しかしながら、1999年から2015年までの15年間において、中小企業数は100万社近く減少しており、中小企業の存続を取り巻く状況は芳しくありません。
2016年の「中小企業白書」を見てみると、我が国の経済は緩やかながら改善しつつあるとされています。同時に、1995年の時点では55.4歳であった経営者の年齢は20年経過した2015年には60.89歳となり、確実に経営者の高齢化が進んでいる現状があります。そして、経営者の平均的な引退年齢は、「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」によると、67~70歳程です。
 
こうしたデータから、中小企業の減少は、経済的・財務的問題よりも、後継者問題の影響が大きな場合が数多く存在することが読み取れます。
元々、自分の代で終わりにする予定であった場合等を除けば、事業承継は必須であり、今後も企業の存続を望むならば避けては通れない道です。
事業承継において最も重要であることは、早期に事業承継対策に取り組むことです。
親族が後継者となる場合でも、後継者の育成が必要であり、経営管理の知識習得や、実務経験等、それは多岐に渡ります。当然数か月単位で身に付くものではありません。
更に、親族外承継を行う場合は、適任者を探す必要性も有ります。昨今は親族外承継の事例も増加傾向が見られることもあり、より早期対策の必要性が強まったでしょう。
日々の業務で後回しにしがちな事業承継ですが、対策には時間が掛かることから、早めに行動に移す程成功率は高まります。事業承継税制によって、この5年間に特例承継計画を提出すれば、株式の贈与時に納税猶予を受けることも出来るため、今が絶好の機会であることは多くの経営者の方がご存知かと思います。
まずは税理士や金融機関等の専門家に相談し、ご自身の承継時における問題を一度整理してみることも良いかもしれません。

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