イワサキ経営スタッフリレーブログ

2018.05.21

行動経済学とは? ~安部 和人~

 2017年のノーベル経済学賞に米シカゴ大の行動経済学者であるリチャード・セイラー教授が受賞されました。私は以前にセイラー教授の著書を拝読した事もあったため、今回の受賞には大変嬉しく思いました。

今回の受賞もあり、現在行動経済学が世間で非常に注目されています。そもそも、行動経済学とは従来の経済学とは何が違うのでしょうか?従来の経済学では、人間の行動は最も合理的な選択をするという大前提のもと理論づけされていますが、実際の現実世界では人間が経済学で言われているような最も合理的な選択をする事ができておらず、経済学では説明できない事がたくさんありました。行動経済学はその今までの経済理論では説明のつかない事や例外とする経済現象にスポットを当て心理学と融合した新しい経済学なのです。
例えば、「お金の価値は変わらない」という標準的な経済理論がありますが、現実の世界では実際にそうでしょうか?セイラー教授が研究し実験した結果に、もしあなたが携帯電話をあるお店に買いに行った際に値段が9千円で売られていたとし、その時に10分歩いた先に同じ携帯電話が8千円で売られているお店があるという情報を知った場合にあなたはどうするか質問された結果、ほとんどの人が安いお店の方に駆けつけるという答えになりました。
 
しかし、今度はテレビを買いに行き値段が19万9千円だったとし、その時に10分歩いた先に同じテレビが19万8千円で売られているお店があるという情報を知った場合にあなたはどうするかと質問された結果、ほとんどの人が駆けつけないという答えになりました。
 
この質問は、同じ10分歩いただけで千円得をするという話なのですが、場合によって判断が異なる結果となっており、人間の行動は最も合理的な選択をするという従来の経済学では説明できない事であります。この結果には私達は9千円の中の千円の方が19万9千円の中の千円より価値が高いという認識を無意識のうちにしてしまっているのです。つまり、汗水流して稼いだ10万円も宝くじで得た10万円も相続で得た10万円も本来であれば同じ価値のはずですが、私達は経験や感情によってお金に相対的な価値を付与している事がこの研究で発見されたのです。
 
このように、従来の経済学では説明できなかった現実の世界で起きている事を行動経済学で証明しており、その事が世間で今注目されている理由なのでしょう。

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