イワサキ経営スタッフリレーブログ
2017年06月
2017.06.15
我が国の人口問題の課題 ~宮川 良太~
人口減少に歯止めがかからない我が国の現状において、今後の日本経済がどのような方向に進むのか気になる所です。我が国の人口ピラミッドは、現在「つぼ型」と呼ばれる、将来において少子化、高齢化が進む典型的な形状だと言われています。
この予測に対して、政府は人口一億人の維持を掲げ、子育て支援等の政策を打ち出しています。統計によると、このままだと2110年には、現在の人口(1億2000万人)の3分の1(4300万人)まで減少するとのことです。深刻な状況を予測しています。
この深刻な人口減少に関わる将来における課題はどこにあるのか。今後の人口問題を見据えた進むべき方向性はどこにあるのか。
{人口減少がもたらす課題}
① 社会保障と財政への負荷
少子高齢化社会においては、社会保障としての給付負担が国家財政を圧迫してしまうということです。
減少した労働人口が、増加した社会保障受給者を支え切れるのか。コスト負担という課題が存在します。
② 地域社会に与える影響
人口の減少と若年層の域外への流出は、地方自治体の財源不足を招き、行き届いた行政サービス提供が不可能な状況を招く恐れが生じます。現在も地方から大都市への人口流出が問題視されていますが、そのことによる地域間のアンバランスという状況が懸念されます。地域社会の危機という課題が発生します。
{経済成長と人口の関係}
経済成長率と人口増加率を一体のものとする考え方と、経済成長率と人口増加率は比例しない考え方の両論があります。これは、人口の増減と労働生産性の関係性の捉え方の違いによります。労働生産性向上を人の労働力に重きを置くか、イノベーションによる効果を生産性向上の核心と捉えるか。この二つの考え方のどちらに立つかにより、経済成長における人口に対する認識が大きく異なります。
{人口問題に向き合う価値観の創造}
従来通りの人口維持か、それとも、この現実を受け入れた新しい価値観の創造か。
人口問題を国民の欲望・幸福と国家の安定性を目指す方向性の中での再構築の必要性を感じます。
2017.06.15
事業承継の準備は万全ですか? ~高島 正明~
今や中小企業・小規模事業者の経営者のうち、65歳以上の経営者は全体の約4割を占め、今後事業承継のタイミングを多く迎えることになりそうです。中小企業庁委託調査「中小企業の事業承継に関するアンケート調査」から平均引退年齢も67歳から70歳で、経営者の高齢化が進んでいます。また、廃業を考える経営者の3割が「後継者がいないことを上げています。その理由は、子供に継ぐ意志がない(12.8%)、子供がいない(9.2%)、適当な後継者が見つからない(6.6%)と後継者の確保が難しいと回答しています。
事業の継続は可能なのに後継者がいないために、廃業を選択せざるを得ない状況を非常に危惧しています。これまで培ってきた事業運営で築かれた経営資源が失われてしまうことは、日本経済にとって大きな損失に違いありません。その事を踏まえて早急に事業承継の準備が必要であるのです。日々の経営で精一杯、何から始めれば良いか分からない、誰に相談すれば良いか分からない等の理由で、取組を先送りしている傾向も否めません。
後継者への育成期間にも5年から10年ほどかかるとすると、経営者の平均引退年齢70歳前後を考えると60歳頃には準備をスタートしなければなりません。そのポイントとして、以下を計画的に進めることが大切です。
1.経営理念や取引先との人脈、技術・技能といった「知的資産」の承継
2.経営権を引き継ぐ「人(経営)」の承継
3.事業用資産、債券・債務など「資産」の承継
特に現経営者の想い、価値観、信条等の経営理念の承継は重要であることを忘れてはなりません。どんなに時代が変わっても受け継いでいく想いを後継者に伝えなければなりません。事業承継の実行に向けて会社・経営者・後継者それぞれの具体的に行動を盛り込んで未来ある会社にしていきましょう。
中小企業の事業承継をサポートする商工会議所・商工会などの支援団体、金融機関、税理士などの専門家、事業引継ぎ支援センター等の公的機関活用をすることも得策です。まずは、その第一歩を踏み出し見ては如何でしょうか。
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