イワサキ経営スタッフリレーブログ
2017.04.19
人材倒産に備える ~深田 高代~
私が新卒で就職活動をした頃はリーマンショック後間もない頃でした。当時は職業安定所や求人誌に掲載されている求人数はとても少なく、やっとの思いで就職した記憶があります。
しかし、現在では逆の現象が起きています。それは〝企業の人材不足〟です。
静岡県は人口が減少し続けています。静岡県の統計によると、平成28年12月現在の人口は3,684,318人です。前月と比較すると1,564人減少しました。内訳をみると自然動態による減少が1,227人(出生2,247人、死亡3,474人)、社会動態による減少が337人(転入8,980人、転出9,317人)です。数字からみても分かるように少子高齢化と他県への転出により人口が減っています。このまま人口減少が進めば、静岡県における15~64歳の生産年齢人口は25年後には約60万人も減少すると言われています。
また、仕事の需要があるからといって人手がないことを考慮せず受注するなら、従業員の負担が増加し貴重な人材の流出を招くかもしれません。だからと言って受注をセーブするなら折角のビジネスチャンスを逃してしまいます。
人手不足の深刻化は店舗閉鎖や納期遅延による資金繰り難を引き起こします。最悪の場合、人材の枯渇によって事業が回らなくなる「人材倒産」に陥るかもしれません。
今一度自社のワークスタイルを見直し従業員の教育や訓練を行うなどして、会社の生産性を向上させるビジネスモデルを確立することが重要です。労働量の投入には限界がやってくるかもしれませんが、労働の質を上げれば現状よりも仕事をこなせるはずです。
また、従業員を取り巻く環境を見直し満足度をアップさせ、できるだけ長く働いてもらう工夫も欠かせません。
加えて、設備投資は勿論、ロボットや人工知能(AI)、IOTなどの活用によって人間の仕事を代替することも企業の生産性を高める助けになるでしょう。
今後企業が成長し生き残っていく為には、如何にして人材を確保し生産性を高めていくかを考慮し、積極的な会社の働き方改革を行うことができるかが重要な鍵になってくると思います。