イワサキ経営スタッフリレーブログ

2016.12.19

預貯金の流れ ~今井 彩乃~

 相続税の申告では亡くなった方の相続財産というものをみて、税金が決まります。その相続財産とは土地・家屋・預貯金・保険・有価証券・債務などがあります。今回は、相続財産の中で一番問題となる「預貯金」について考えていきます。

預貯金とは亡くなった方が亡くなった時点でもっていた現金や普通預金・定期預金・定期積金などの財産を言います。
現金については、亡くなる直前・直後に下ろした財産のことを言います。
たとえば、亡くなる直前に200万円下ろした場合、その200万円は死亡時現金手許金として財産へ計上し、亡くなった後にかかる費用(葬儀費用やまだ支払っていない入院費)などが200万円かかった場合、それらを債務として計上し、辻褄が合うようにしなければなりません。
そうしないと亡くなった直前に下ろした200万円はどこへいってしまったのか?贈与したのではないか?と疑われてしまいます。
またこれらの預貯金の動きは亡くなった日だけを見るだけではなく過去に遡ってみていく必要があります。
理由としては、例えばおじいさんの預貯金は亡くなった時点では300万円あったが、3年前には1000万円もあったということが分かりました。ではその差額の700万はどこへいったのか?これらを見ていく必要があるということです。
考えられる理由の一つに贈与をしたという場合があります。
たとえ贈与税申告をする必要のない110万円以下の贈与をしても、3年内の贈与については持ち戻して相続税の計算をする必要があります。これは、相続税を支払わないように生前に贈与などをし、財産を減らすことを避けるために設けられた制度です。
上記のように、相続の申告業務の中で一番注意深くみるところが預貯金の流れです。預貯金については、亡くなった方しかわからない預金の流れというものはありますが、出来る限り生前から通帳にメモを残すことや大きな出金については後で見てわかるようにしておくことが、相続税申告をする際の必要事項だと思います。

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