イワサキ経営スタッフリレーブログ

2016.10.18

遺言書のススメ ~小野崎 一綱~

 暑さも一段落した秋は過ごしやすく、そして様々なことに挑戦しやすい季節でもあります。その「秋」ですが、食欲の秋・スポーツの秋・読書の秋などのように、「~の秋」という風によく表現されます。

読書の秋と言われるようになったのは、秋の気候が読書に適しているからと言われています。夏の暑さも一段落して夜が過ごしやすくなり、本を読むのに最適な気温になるのが秋なのです。人が集中するのに最適な気温は18度前後で、秋ごろの気候がぴったり。同じく18度前後になる春から夏にかけては、梅雨の季節と重なるために蒸してしまいます。しかし、秋ならあまり湿度も高くないため、集中して本が読みやすい環境が整うということです。
さて、私が主な仕事としている相続についてですが、最近「終活」や「エンディングノート」など、人生の最期にスポットを当てた関連書籍が数多く発行され、それに関するセミナーも盛況です。ところがその一方で、遺言を実際に書いている人の割合はそれほど増えておらず、日本における遺言普及率は数%程度だとも言われています。季節的に集中のできる秋、春から夏にかけ考えていたことを実行しやすい季節と私なりに理解しています。脅かすわけではありませんが、相続の現場では財産の大小問わず、こんなはずではなかった。まさか我が家が、という言葉をよく聞きます。わずかな財産でも、少しでも多く欲しいと思うのが人の心理です。自分の子供たちは仲がいいと思っていても、周囲も思惑も関わってきてトラブルになるのが相続です。あえて、これをしておけば防げた、とは言いませんが、遺言さえあれば。と思う事がしばしばあります。
皆さんは、遺言で最も大切なことは何かご存知でしょうか? 「要式を守って作成すること」や「遺された人が争わないようにすること」など、色々と思い浮かぶかも知れません。しかし、最も大切なことは、「書くこと」です。法的に無効な遺言であっても気持ちが伝わることはありますが、書かれていない思いが正確に伝わることはないと強く肝に銘じて下さい。遺言の秋、皆さんも今一度、人生を振り返り、家族のため、ご検討いただければと思います。

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