イワサキ経営スタッフリレーブログ
2016.04.15
食品展示会を考察する ~宮口 巧~
今、1年間にどれだけの食品展示会、見本市などが開催されているでしょうか?仕事柄展示会出展のお手伝いをさせていただく機会が多く、1年間に5回以上は足を運ぶ機会がありますが、東京で開催される全国を対象とした展示会は年々規模が拡大しています。最近は、行政や商工会・商工会議所などの支援機関、地域の金融機関などが地域企業の展示会出展をサポートしている事も多く、出展企業の数も年々増加しています。
しかし、会場を廻っていて感じる事があります。「出展者、来場者共に、明確な目的を持っている人がどれだけいるか?」という事です。地域企業が展示会に出展するという事は、時間的、人的投資はもとより、試食を提供する場合の準備など、多くのコストがかかっています。となれば、コストに見合う「成果」を上げる事が目的となりますが、ブースに立ち寄り、商品についての説明を求めても、「美味しいですか?ウチのは美味しいんです!」という主観的な説明をするだけで、こちらの質問にはほとんど答えられない、名刺交換をしても後日メールやDMなどでコンタクトを取ってくる企業はごく一部しかありません。また、来場している人達も、「まだ○○の会場に行っていないから行かなければ」「会場が広過ぎて全部見きれない。どうしよう?」などと話している人が多く見られます。
出展する側の企業は、展示会に出展する事でどんな事を実現したいか?具体的にどんな成果にたどり着きたいか?などを明確にし、その為にどの様なブースにしなければならないか?来場者にどんな説明をし、何を伝え、どんなコミュニケーションを取らなければならないか?という戦略を立てる必要があります。そして、来場する側は、ただ目的もなく廻っていては、大規模な会場をひと廻りすることだけで力尽きてしまいます。どんな企業と接点を持ちたいか?どんな商品を見つけたいのか?という目的意識を持つ事はもちろん、「何か面白いものが無いか?」では無く、「この商品をウチで扱うとしたら、どうすれば面白くなるかな?」という視点で情報と接することで、その先のビジネスは一層面白くなります。
展示会に出展し、来場者を迎える側はもちろん、来場する側も明確な目的を持って、展示会出展に臨み、大きなビジネスに発展させて欲しいと思います。