イワサキ経営スタッフリレーブログ

2015年03月

2015.03.20

まさか我が家に「相続税」が! ~山田 憲義~

 今年1月1日から「相続税」が大きく改正されました。今回の改正は「相続税の大増税」と言われており、大きな改正のポイントとしては、相続税の基礎控除の引き下げです。

基礎控除とは相続財産(亡くなった人が遺した財産)のうち、税金がかからない額を指します。
これまでこの基礎控除の計算は「5000万円+法定相続人の人数×1000万円」。具体例で考えると法定相続人が妻と子供2人の合計3名の場合は、基礎控除額が8000万円でしたが、今年からは「3000万円+法定相続人の人数×600万円」に引き下げられることになりました。上記同様の具体例で考えると、基礎控除額が4800万円になるのです。つまり改正前に比べて控除額が4割程少なくなったのです。
これまで「うちは金持ちじゃないから大丈夫!」と考えていた人も、今回の改正により相続税の対象になる可能性が大きくなりました。
また今回の税制改正により、相続のトラブルが増えることも予想されます。早めに打つ手を考え少しでも事前に対策を行い、相続をスムーズに進めたいものです。
そこで、相続対策として考えたいポイントは3つです。
①「節税対策」
②「納税資金対策」
③「遺産分割対策」
①と②は事前に財産内容を把握した上で、相続税の対象となるようであれば、生前贈与などを使い財産を圧縮(減らし)した上で、しかも納税資金を確保する対策が必要です。
③は相続税申告の有無にかかわらず、すべての人が共通して考えなければならない対策です。そのためにも、「遺言者」や「エンディングノート」を書いておくことが得策です。
いずれにせよ、残された家族が税金の問題や遺産分割で争うことのないように、元気なうちに相続(争族)対策を進める時代が来たのかと思います。

2015.03.20

アベノミクスと倒産件数のマジック ~山部 哲~

 日経新聞に昨年の倒産件数に関する記事が掲載されておりました。「H26年の企業倒産、24年ぶり1万件割れ、12月は前年比9ポイント減」。また、東京商工リサーチが発表した全国企業倒産件数(負債総額1000万円以上)は、H26年は年間で9731件と前の年に比べ10ポイント減り、H2年以来24年ぶりに1万件を下回ったと書かれております。

アベノミクスによる景気回復を背景に金融機関が中小企業向け融資の姿勢を緩めているほか、公共事業の前倒し執行などが影響したと言われています。上場企業の倒産についても24年ぶりにゼロとなっております。
中小企業を支援している私たちにとっては非常に喜ばしい記事なのですが、反対に中小企業庁が公表している「2014年版中小企業白書について(本文)」の中には“中小企業・小規模事業者の企業数も減少が続き、直近の3年間で35万社減少”という事が書いてあったのです。
中小企業の倒産件数は減少しているにもかかわらず、何故、中小企業の数はどんどん減っているのかご存知ですか。それは、倒産件数のカウントの仕方に理由はあります。東京商工リサーチでは、次に該当するものが「倒産」としてカウントされます。
 ①法的倒産(会社更生法、民事再生、破産、特別清算)
 ②私的倒産(銀行取引停止処分)
これらに該当しない「倒産」は、倒産件数としてカウントされていないのです。
分かりやすく言いますと、破産費用も無く、とりあえず放置している会社や経営者が夜逃げしてしまった会社は「倒産件数」としてカウントされないのです。
つまり、アベノミクスによる景気回復は、ごく一部の業種や上場企業等の大手企業が恩恵を受けただけで、中小企業の経営環境は依然として厳しい状況が続いているということです。
大企業であれ、中小企業であれ、この厳しい経済環境の中で経済活動を行って生き残っていくのは非常に大変です。
中小企業の経営者に、自社の強みを生かした経営を推奨しておりますが、自社の強みを把握していない経営者が非常に多いです。自社については弱みばかりが目につきますが、中小企業は弱みを見出したらキリがありません。それより自社の経営資源は限られているので、その中から強みを再度確認して、戦略を立ててみてはいかがですか。

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