イワサキ経営スタッフリレーブログ
2014.10.23
未来予測 ~鈴木 聡~
この秋、米国は中間選挙の年で報道もそれを扱うものが目立ってきました。
グローバルトレンドというレポートをご存知でしょうか。少し大きな話になりますが、これは米国国家情報会議(NIC)がまとめた世界の潮流を分析したレポートです。この会議はCIAや国防総省、司法省、国家安全保障省をはじめ米国の主要な機関、人物が係わり作成するレポートで、世界でもっとも精度が高い未来予測を行うことで定評があります。何より、多忙を極める大統領に対して分析結果を短時間で報告することもこのレポートの目的といわれていますから、分野は異なるとも、やはり日々多忙を極める経営者やビジネスマンにとっても大きな潮流を把握するのにこのレポートは重宝するのではないでしょうか。
これはおおむね4年ごとに発表され、最近では2012年12月に2030年の未来予測が発表されています。少し前との印象をもたれるかもしれませんが、その内容は今日でも色あせることなく充分に読みごたえがあります。要旨はネットでもつかめますが、翻訳版も書店ですぐ入手できます。タイトルは『グローバルトレンド2030:2030年世界はこう変わる』です。この中で未来についていくつかのシナリオがパターンとして記されています。当たるか当たらないかはともかくとして、どのような要因が未来に影響を与えるのかという視点は、事業展開を考える上でもヒントになるのではないでしょうか。
日本にとって最善のシナリオと最悪のシナリオはどのように分析されているのか。この点についても知らないよりは知っておいた方が目先の出来事に対する対応力が変わってくるはずです。知らないところから急にボールが飛んできて当たるのと、飛んでくるのがわかっていてそのボールに対応するのとでは、仮にそのボールに当たった場合でも痛みが違います。
経営とは環境適応である。これは経営についてしばしば語られる名言です。経営者は日々それを実践されています。その環境適応のためのひとつの情報としてこうした大きな視点の時流把握も有効だと感じます。
あくまでもヒントではありますが、秋の夜長、読書がてら情報収集をされてみてはいかがでしょうか。