イワサキ経営スタッフリレーブログ
2014.09.17
食文化に学ぶ ~宮川 良太~
昨今の中東におけるイスラムとイスラエルとの民族紛争・中国における漢民族とウィグル族との民族紛争等、異民族間の対立による悲劇は世界各地で後を絶ちません。毎日のように報道される、民族と宗教の対立・紛争を耳にしますと、その宥和の実現が人類に課せられた永遠のテーマなのだと思います。
しかしながら、このテーマの背景には、二面性が存在していることも事実です。
その一つは、民族同士の日常生活においては、共存せざるを得ない状況下にあるとしても、日常生活では、平和に共存している現実があります。しかし、一方では、国家あるいは民族組織の利権・覇権という権力志向のもとに、他民族への憎悪と排斥が武力をもって行われ、民族間の争いが扇動させられている現実があります。
では、その解決策は永遠にないのでしょうか。
私見ですが、このテーマの解決策とは言えませんが、溶解策としては、それぞれの食文化の多様性を認知し、楽しむことではないかと・・・。
絵空事とお思いでしょうか。でも、食事を楽しみ、おいしいお酒を飲めば、民族・宗教の枠を超えた笑顔の会話が行き交い、争い・憎しみを和らげられることと思います。
食文化は、それぞれの民族・宗教・地域・国家等によって、多様に存在します。そして、その内容には、固有のものと共通のものがあります。また、食文化は、食材・調理方法・食器の選別・マナー・食事の時間等、幅広い要素を含むそれぞれの文化の根底を支える文化なのです。
他民族・他地域・他国家・他宗教の食文化を知ることは、それぞれのアイデンティティを知ることに繋がります。そして、自らとは異なる食文化に触れ、食すことにより、他文化への理解が深まると同時に、その異質な食文化が形成されたストーリーに関心が向くのではないでしょうか。
食文化形成のストーリーを知ることにより、民族・宗教の歴史の背景が浮かんできます。
長い時の流れの中で培われてきた食文化は、決して、異なる食文化を排斥するものではなく、攻撃の対象とするものでもなく、時には、融合し合い新しい食文化を作りだし、私達を楽しませてくれるのです。
全ての食文化に共通していることは、家族・親族が集い、仲良く楽しく食べることなのですから。