イワサキ経営スタッフリレーブログ

CS、ESという言葉をご存知でしょうか。CSとは「顧客満足（Customer Satisfaction）」のこと、ESとは「従業員満足（Employee Satisfaction）」のことです。従業員満足というと、昇給や労働法規の順守という問題が重要視されます。

最近、盛んにブラック企業という言葉が使われるようになり、特に長時間労働については、過労死・メンタルヘルス問題など働く人の生命や健康を脅かす事態を招いているだけでなく、企業の生産性や効率性を損ない、また女性の活用も難しくするなど、日本社会の持続的な成長を妨げ、企業の持続的な成長・発展を阻害する要因となっています。過労死やメンタルヘルス問題で、知識・経験のある従業員が抜けることで、保障の問題、新規の雇用や教育にかかる費用など、トータル的に企業が失うものはとても大きいと考えます。

また、従業員の離職率も企業にとって大きな損失です。厚労省のデータによると、近年、入社して3年以内に退職する大卒者は3割、高卒者に至っては4割にもなるそうです。企業と従業員の考え方のミスマッチや、長時間労働、社内の人間関係など離職の理由は様々あります。しかし、企業にとって、社員の募集から採用までの費用、採用して初期教育にかかる費用は、決して安くありません。

業種や業務内容によって異なりますが、手取り足取り仕事を教えて、一人前になるまで最低3年はかかるといわれています。つまり、3年も給料を支払って仕事を教え、独り立ちできるようになった従業員が退職してしまうということです。3年間の教育に費やされた時間や費用は、貸借対照表には反映されませんが、企業の財産です。その財産がなくなってしまうことは、企業にとっては大きな損失であると考えます。

採用した従業員を育て、利益貢献が出来る人材にすることで、企業が利益を出し継続的な発展を続けることが出来ると考えます。

さて、２０１４年４月１日より消費税が８％となり１７年ぶりに増税となりました。今回の増税につきましては、平成８年の３％から５％への増税時と同様、消費税の負担増を、別の税制等の特別措置により税負担軽減を図る措置が講じられていました。この措置のうち、完成に長期間を要するような住宅の請負工事などについて増税の施工日の半年前までに契約すると、引き渡しの日が施工日の後となっても付加される消費税は５％となる経過措置があります。

また、不動産などの賃貸借契約も、一定の要件を満たすものについてはこの適用対象です。これらの経過措置に伴い、経過措置の内容が深く関わる業界につきましては、増税後も旧税率が適用される平成２５年９月３０日までに多数の契約を締結されたのではないか？と思います。

他にも、小売業や卸売業でも旧税率が適用されている間に商品を買っておこうと思うお客様や業者様から一種の特需により、３月などは多忙な日々を送られたのではないか？と思います。しかし、その３月を終えて４月となり新税率適用後は特需から一転、消費者側としては自粛ムードとなったのではないか？と推察しています。

仮にこの自粛ムードが事実であった場合、その自粛を打ち破る施策も必要になるかと思います。また、先月にはゴールデンウィークがありましたが、この時に何らかの施策を講じた企業様は消費者側の自粛を打ち破ることができましたでしょうか？

今回の消費税増税につきましては、２段構えとなっており、平成２７年１０月１日には８％から１０％へ再度の増税が予定されております。この時にも今回と同じ経過措置は適用されます。同様に、消費者側としては今回と同様の対策を取る方もいるでしょうから、増税前の特需、増税後の自粛ムードもまた起こることが想定されます。

今回、経過措置や特需を逃してしまった方もいらっしゃるかと思いますが、次回の増税に向けて対策を講じることが出来ればと思います。