イワサキ経営スタッフリレーブログ

2011.09.06

モチベーション ~村田 圭~

 ある社長さんにこんな質問をしたことがある。「社長、組織をうまく回すコツは何ですか?」上場企業の社長経験もある優秀な社長だ。どんな組織論が展開されるかと思っていると意外にも答えはこうだ。「それは社員をよく見ることだよ。」そして続けてこう言った。「社員は見てもらっていると思うだけでモチベーションが上がるんだ。」社員は良いところも悪いところも、結果が出たことも結果はまだ出ていないもののそこまでの努力も、すべてを見てもらっているということだけでモチベーションが上がるのだという。そして、モチベーションが上がることによりそれぞれが今まで出してきた力に加えてあと1割の力を出せるようになり、会社の業績は飛躍的に伸びるのだという。

また、ある書籍にはモチベーション向上を図る4段階としてこうある。「①声をかける」これにより自分に関心を持たれていると感じ、それがモチベーションの土台となる。「②ほめる」これにより内発的動機づけ要因である有能感を感じることがモチベーション向上への重要手段となる。「③意見を聞く、情報を共有する」これにより会社の一員であるという存在感や一体感を感じ、有能感に加えて親和欲求(人とつながることへの欲求)を満たしモチベーション向上を促進する。そして「④一緒に考える、ヒントを与える」これにより自分にもできそうだという期待感を与え、内発的動機づけ要因である自己決定も併せて手に入れることができるというのである。
「人」の問題に頭を悩ませている経営者は非常に多い。そのために試行錯誤を重ね、専門家に意見を求め、様々な対策を取っている。当然それも組織をうまく回すための一助となるのかもしれない。しかし、もっと初歩的な「社員をよく見る。」ということだけで解決できる問題も多くあるのではないか。とかく経営幹部は組織を考える際に社員を見下ろし「何故もっと働かない?」「どうして言うことを聞かないのか?」という風に考えがちである。しかし、だからこそ目線を下げて、社員がいま何を考えどう行動しているのかを見て、理解することで見えてくる解決策があるのではないだろうか。社員は会社にとっては貴重な「人財」である。その社員のモチベーションを向上させることで、マネジメントもうまくいき、社員の満足度も上がり、業績も伸びるという「三方良し」が実現できるのではないだろうか。

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