イワサキ経営スタッフリレーブログ
2010.03.01
平成22年診療報酬の行方 ~菊地 晃~
医療診療報酬は2年に1度改定されます。
22年度が改定の年となり、プラス1.55%の改定率が報じられました。
診療報酬改定とは医師の診療行為や調剤などに対して、医療保険から支払われる報酬を改定することです。
それぞれの診療行為や調剤などには公定価格が決まっており、保険診療の請求により診療報酬を支払うシ
ステムになっています。
この診療報酬改定の改定率の決定は内閣の権限であり、診療報酬改定に係る基本的な医療政策の審議は
厚生労働大臣の下における諮問期間にて「診療報酬改定に係る基本方針」を定め、中央社会保険医療協議
会に於いてこの基本方針に沿って具体的な診療報酬点数の設定に係る審議を行い、厚生労働大臣が告示
する流れとなっています。
22年度の「基本方針」も2つの重点課題
①救急、産科、小児、外科等の医療の再建
②病院勤務医の負担軽減
「基本方針」の4つの視点
①国民の安全安心に確保のため医療の充実が求められる領域の評価
②安心・安全・生活の質に配慮した医療の実現
③医療と介護の機能分化と連携の推進
④国民の負担を軽減する観点かた効率化、適正化を図る
上記の基本方針により取り組みが行われます。
21年に政権が民主党に交代した要因として現行の医療保険制度での将来的医療不安が挙げられる
と思います。現行の後期高齢者医療制度においては高齢者に対して優しさに欠けていた面があり老いることに不安を抱いてしまう傾向にあったことです。
患者負担が1割から2割へ2割から3割になり、保険料は年金から天引きするシステムです。高齢者に対して配慮が欠けていたと思います。ただし国民皆保険を進めていく上では財源が問題です。
現在公表されている医療費は34兆円と言われています。
高齢者の負担低減の問題からすると国民負担を低減化すると公費(税金)や保険料が負担増となり、国に現状の財源と国力を予測するとこれもまた問題です。
これを考えると私たち個人も受診者の立場から考えなければならない点があると思います。
病院志向から、掛かり付け医の構築等ムダな医療をやめ健康づくりの対策等が必要です。
主張ばかりでは高齢化医療対策で財源不足となり、保険制度が崩壊する可能性も考えられます。