イワサキ経営スタッフリレーブログ
2010.01.29
現実は一つの現象にしか過ぎない ~宮川良太~
空が青い訳を皆さんもご承知だと思います。
その訳は、太陽からの光のうち、波長の短い青系の色から波長の長い赤系の色が大気圏に入ってきます。
その時、分子とぶつかり波長の短い青系の色は飛び散ってしまい、そのために、私たちの目には空の青さが認識できるのです。
また、逆に夕焼けは、太陽の位置により、波長の短い青系の色が飛んでしまい、波長の長い赤系の色が私たちの目に映ることにより認識されるのです。
この当たり前の現実は、今私たちが直面している
政治・経済の混沌とした現実を、単なる一つの現象であると認識すべきことの示唆であると思います。
つまり、太陽と地球との位置関係により私たちの目に映る偶然の現象が青い空であり、私たちを取り巻く現実も、この地球上における起るべき偶然の現象の一つなのです。
現象である以上、いつかは他の現象が我々の前に現実として現れるのです。
では、私たちはこの現実をどう受け止めるべきなのか。
現象という現実は、絶対不変のものではありません。
青い空も、政治不信も、不況も、雇用不安も、偶然の産物なのです。
それを欲した訳ではないのに、現実はその環境に身を委ねるしかないのです。
では、私たちが出来ること、やらなければならないことは何なのでしょう。
私たちにとって今大切なことは、目の前の現実に振り回されないこと。
私たちを包み込む現実を直視し、それが、単なる一つの現象にすぎないという認識が必要なのです。
太陽が沈み暗闇が私たちを包み込む時、その恐怖と静寂の神秘を我々の祖先は知っていました。
私たちに今欠けていることは、青空があれば暗闇もあるという現象としての現実なのです。
何故、暗闇を怖がるのでしょう。暗闇の後には、また、太陽の光がもたらすまぶしいほどの青い空が私たちの目に映るのです。
私たちの目の前の現実は、この世界の一つの現象にしか過ぎないのです。
もし、この世界に単なる現象ではなく、絶対的真実としての現実があるとすれば、それは、人の生と死なのかもしれません。