イワサキ経営スタッフリレーブログ
2009年06月
2009.06.16
矛盾について考える ~木村康子~
大昔、といっても40年くらい前の話だが、学校で「矛盾」という言葉の語源を習った。中国の「韓非子」(かんびし)の中にある話である。
ある所に楯(たて)と矛(ほこ)を売っている武器商人がいた。左手に楯をもち「この楯の堅さは天下一品、どんな鋭い矛で突いても絶対に突き通せない」と言い、今度は右手に矛を持ち「この矛の鋭さは他に類がないほど。どんな楯でも一突きで突き破ってしまう」と豪語していた。そこで、それを聞いていた男が「ならば、右手に持った矛で左手に持った楯を突いたらどっちがどうなるんだ?」と聞かれ答える事ができなかった。そこから矛と楯と書いて「矛盾」という言葉になった。
その話を聞いて、なるほどと納得した覚えがある。
だが、矛盾について深く考えた事はなかった。
最近、私の頭の中は矛盾だらけである。
つい最近、ETCの休日割引が実施され話題になった。私はETCも持っていないし、遠出もしないので人事と思い興味もなかったが、5月のゴ-ルデンウィーク中、テレビのニュースで例年にない車の混雑、渋滞と報道していた。「千円なんだから出かけないと損」という事らしい。
数年前から地球温暖化が問題になり、排気ガス、二酸化炭素をいかに減らすかと言ってなかったか?休日にETCが安くなればこういう事になるのはわかっているのに・・・これって矛盾て言わないか?
また、某テレビ局で毎年、24時間テレビとか27時間テレビとか視聴者に呼びかけ、募金を集め、めぐまれない人達に、という大掛かりなボランティア活動が行われる。それ自体すばらしい試みだけどその為に24時間も27時間もぶっ通しでテレビ放送する必要があるだろうか?その同じテレビ局でこんな報道があった。ある県の一地域で町民たちに協力してもらって一晩だけ早い時間から電気もテレビも消してもらったところ、その夜の二酸化炭素が激減したと。つまり、大昔の人達のように暗くなったら眠り、明るくなったら起きて、電化製品に頼らず生活すれば地球温暖化は防げるのだと。方やボランティアの為に24時間もテレビ見てください的な報道・・・これって矛盾してないか?
いつの間にか世の中、矛盾だらけになってしまった。それに気付こうとしないのか、気付かないふりをしているのか。たまには立ち止まって自己啓発をしなくてはいけない。
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