イワサキ経営スタッフリレーブログ

2009.02.12

「チェンジ」 ~鈴木 聡~

 米国では新たにオバマ氏が大統領に就任した。そのオバマ氏は選挙中に「チェンジ」と言い続けていたことは印象的であった。もちろんこれは米国民に向けたものではある。しかしこの「チェンジ」という言葉。我々にとっても重要なキーワードではないだろうか。

 経営についてもそうだ。そもそも経営とは環境適応だと言われるように「チェンジ」の連続ではある。だからこそ、そのとりまく環境から的確に変化を認識し、そこへの適応をしていかねばならない。例えば、昨今社会を揺るがしている一連の食品偽装の問題。偽装は悪いとこであり、許されることではない。ただ、これまでこのような事件は今ほど大きく採り上げられてこなかったことも事実である。これまで各企業に一切の不正がなく、ここへきて複数の企業が同時に不正に傾いたとは考えにくい。内部告発のためのルールなど、今まで入らなかったメスがいっせいに入ったことでこれら事件が発覚しているのであろう。この事件に絡んだ経営者たちは、経営を取り巻く環境変化を甘く見ていたように思う。つまり、これまでの生産者中心の視点で動いていた会社が、消費者中心の視点で動く社会へと変わったことを甘くみていたと感じるのである。この食品偽装の例は極端な例なので、普通の企業には当てはまらないだろう。
しかし消費者中心の環境変化を象徴的に示している事例だとは思っている。ここまで一方的な生産者サイドの取りくみはないだろうが、しかし各社にあってもより消費者サイドからの視点を意識しなければならなくなっているという変化(チェンジ)はしっかりと認識しておくべきだろう。省庁にあっても消費者庁の設立準備がされていることは興味深い事実である。
 当たり前のことであるが、社会に必要とされない企業は存続が許されない。それは不正があるないではなく、消費者が信頼を感じない企業は結果利益を残すことができない。社会に対してどういう役割を担うのか。この答えを明確にもっている企業であれば、消費者側からの信頼も高まるであろうし、それは同時に利益をもたらす源泉になるはずである。

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