イワサキ経営スタッフリレーブログ
2007年04月
2007.04.19
事業承継と人材教育 ~専務取締役 吉川正明~
今、日本の企業は世代交代の時期であり、後継者育成、事業承継はどこの企業でも抱えている課題であります。しかし、あまりにも変化の激しい時代に、後継者を誰にするのか、事業承継をどのようにするのかは大きな問題であり、多くの経営者が悩んでいるのが現状であります。
事業承継が難しい要因には、先代に従順に仕えてきた幹部が、先代の死や病に倒れることにより、一転して後継者の抵抗勢力になり、反発し始めるということもあります。成果主義でも導入しようものなら猛反対し、後継者を苦しめ、後継者は業績の悪化と抵抗勢力の壁に敗れてしまう。先代が元気なうちは「私に仕えた幹部は後継者を支えて協力するはずだ」と考えています。このような思いこみが承継失敗の一番の要因なのではないでしょうか。
後継者を誰にするのかは大きな問題です。しかし、「社内や身内にいないから社外で探す」というのは軽率すぎます。会社が株式公開でもしているか、経営内容が健全であるなら別ですが、借入金はある、保証行為をするなど財務の不安定、収益力の低下などがあれば相続人以外が事業承継することは極めて難しいと思います。相続人以外の場合、金融機関の保証、担保を一切外すことができれば問題ないが、そうでなければいつでも復帰する考えでなければいけないでしょう。
経営には「上り坂」「下り坂」、そしてさらに「まさか」という坂があります。もし今、まさかとうい坂(病気や突然死)に遭遇したら会社は安泰か、後継者は安泰か。この問いに「問題なし」という社長はほとんどいないでしょう。
ではこれからどのようにしていけば良いのでしょうか?結局の所、事業承継する、しないに関わらず、会社の経営を安定させ、万全な経営基盤を作る必要があるということです。そうであれば、誰が後継者になっても問題ありません。
その基本として最も重要なのが「人材教育」です。
経営の多くの課題は人間の影響であり、人間が赤字にし、人間が黒字にする。このように人間が分岐点となり経営に大きな影響を与えているからです。仕組みも大切ですが、それ以上に社員一人ひとりが財産のような人財になり、全員参加型の経営基盤を作ることが必要です。人材教育に対する投資は惜しまず、積極的に投資していくことが、これからの経営に必要なことではないでしょうか。
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